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3年連続で神事のみ 古座川舞台の河内祭

今年の「河内祭」について話し合う関係者(串本町古座で)
今年の「河内祭」について話し合う関係者(串本町古座で)
古座青年会の獅子舞(2019年7月、和歌山県串本町古田で)
古座青年会の獅子舞(2019年7月、和歌山県串本町古田で)
 串本、古座川の両町を流れる古座川を舞台に7月下旬に営まれている国の重要無形民俗文化財「河内祭(こうちまつり)」の保存会の会議が27日にあり、今年の祭りについて、コロナ禍のため3年連続で神事のみとすることを決めた。ただ、この状況が長引くことで伝統技能の継承などを危惧する声も強く、古座獅子を担う古座青年会と御舟謡(みふねうた)の保存団体「河内会」では今年、稽古には取り組むことを説明した。


 河内祭は、古座川の河口から約3キロ上流にある河内島をご神体として祭る5地区(串本町古座、同町古田、古座川町高池下部、同町宇津木、同町月野瀬)の例祭。豪華に飾り付けられた御舟による水上渡御や各地区の勇壮な獅子舞、古座中学校の生徒による櫂伝馬競漕(かいてんまきょうそう)などがあり、毎年、多くの見物人でにぎわう。1999年に「河内祭の御舟行事」として国の重要無形民俗文化財に指定された。

 この日の会議は串本町古座にある古座漁村センターであり、関係者12人が出席。保存会の杉本喜秋会長(75)が今年の祭りについて意見を求めたところ、出席者からは「今年は見送ろうではないか」「御舟だけでも出そう」「今年しなければ来年もできないことになるのでは」といった意見が出た。

 その中で、古座青年会の西田有希会長(45)は「何年もしていなかったら、ようせんようになる。(高池下部の)互盟社は去年から練習しているので、まず練習だけでもしたい。可能であれば神事が終わった後に地下まわしができれば。様子を見ながら、いきなり100%の祭りではなくて、試運転ではないが、そういう形で取り組ませてもらえないか」との考えを説明した。

 河内会の片山潔会長(72)も「御舟の中で歌うものなのでどうしても密の問題もあってつらいが、練習は皆さんと相談しながら考えたい」と述べ、他の出席者も「練習をしておけば祭りが来たという雰囲気も出てくる」と賛同した。

 一方で、御舟を出すのは引き続き難しいという意見があり、最後に、杉本会長が「近隣でコロナの感染者が出ており、今年は見送って来年に懸けたいと思う。練習は万全の態勢を取りながら、各団体で取り組んでいただけたら」と呼びかけた。

 今年の河内祭は、7月23日午後7時から宵宮祭(古座神社)、24日午前8時から渡御祭(古座神社)、同日午前9時から大前ノ儀(河内神社)などを営む予定という。

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