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ブラジル国花「イペー」咲く みなべ町で友好のシンボル

昨年に続いて岩代小学校で咲いたイペーの花。児童も喜ぶ(20日、和歌山県みなべ町西岩代で)
昨年に続いて岩代小学校で咲いたイペーの花。児童も喜ぶ(20日、和歌山県みなべ町西岩代で)
永井恒雄さんの農園で見事に咲いたイペーの花(20日、和歌山県みなべ町東本庄で)
永井恒雄さんの農園で見事に咲いたイペーの花(20日、和歌山県みなべ町東本庄で)
 ブラジルの国花「イペー」が今年も、和歌山県みなべ町の小学校や農園などで黄色の花を咲かせた。いずれも県とブラジルの友好のシンボルになればと植えられた記念樹。今年は「ブラジル移民の父」といわれる松原安太郎氏(1892~1961)の生誕130周年で、それを祝うかのように華やいでいる。

■岩代小学校

 記念樹がある小学校は、松原氏の母校である同町西岩代の岩代小学校(大野真紀校長、40人)。昨年3月、県中南米交流協会と同校が企画したイベントで、児童が校舎前の桜並木の横に1本植えた。それが早くも昨年中に咲き、今年も咲かせた。

 木の高さは1・4メートルほどで、昨年からあまり成長していないが、今年は昨年より1週間ほど早く先週中頃から咲き始め、今が見頃となっている。

 6年生で児童会長の中西ののかさん(11)は「イペーは知らない花だったが、見事な黄色で、きれいで感動する。松原さんのような偉い人が岩代出身だと思うとうれしい」と話していた。

■東本庄の農園でも

 農園でイペーが咲いているのは、同町東本庄にある永井恒雄さん(81)の梅畑。イペーの品種選定や開発をしている鹿児島大学の名誉教授からもらった木が、昨年に続いて今年も咲き、それとは別に県中南米交流協会が2年前に植えた木も今年初めて咲いた。

 木の高さは2・6メートルほどあり、15日ごろから咲き始め、華やかなたたずまい。永井さんは「木が大きく育ち、見応えがある大きな花をつけた。松原さんをしのんで咲いたのだと思う。これも松原さんとのつながりで、これからも大事に育てたい。あと10年もたてば、遠くからでも見える大木に育つだろう」と喜ぶ。

 イペーはノウゼンカズラ科の落葉高木で、ブラジルでも春に鮮やかな花を咲かせる。ピンクや紫、白色もあるが、黄色がポピュラーでブラジルの国花になっている。

 県中南米交流協会は2018年から、田辺・西牟婁やみなべ町の公園、学校などでイペーの植樹を続けている。

 今年、みなべ町の2カ所以外でも、協会の副代表である田辺市上三栖の冨家力さん(72)方と上富田町岩田の県福祉事業団でも昨年に続いて咲いている。

 松原氏の生誕130周年の今年は、田辺・西牟婁やみなべ町でパネル展や講演会、シンポジウムなどとともに、イペーの植樹も計画している。協会の真砂睦代表(80)は「記念の年に立派な花が咲いてよかった。特に松原さんの古里であるみなべで咲いたのが喜ばしい。来年には県人会世界大会もあり、各地で植樹を続けていきたい」と話している。

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