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ブラジル国花「イペー」移民の父の母校で咲く みなべ町岩代小

岩代小学校で咲いたブラジルの国花「イペー」(みなべ町西岩代で)=岩代小学校提供
岩代小学校で咲いたブラジルの国花「イペー」(みなべ町西岩代で)=岩代小学校提供
 ブラジルの国花「イペー」が、みなべ町西岩代の岩代小学校で咲いた。同校は「ブラジル移民の父」といわれる松原安太郎さん(1892~1961)の母校で、3月に苗木を植えたばかり。関係者らは、早い開花に特別な絆を感じて喜んでいる。


 松原さんが生誕して来年で130周年を迎えることから、県民や県出身者でつくる県中南米交流協会(真砂睦代表)と学校が企画したイベントの一つとして、3月10日に高さ約1メートルの苗木1本を校舎前の桜並木の横に植えた。

 それが4月下旬、黄色の花を咲かせた。多い時には6輪あり、ゴールデンウイーク明けまで咲いていたという。

 6年生の寺垣花梨さん(11)は「初めて見る花で、きれいだった」、小谷匡世君(11)は「来年はもっと成長し、たくさんの花を咲かせるのを期待したい。じっくり見たい」と話していた。

 イペーは交流協会が、県とブラジルの友好のシンボルになればと2018年春から、田辺・西牟婁とみなべ町の各地で植樹を始めた。これまで28本植え、今春に初めて田辺市上三栖の民家で咲いた。

 その花は18年に植えた木だったが、今回は苗木を植えて2カ月もたたないうちに開花した。交流協会の真砂代表(79)は「まさか苗木を植えたばかりで咲くなんて。こんなことは聞いたことがない」と驚く。

 松原さんはみなべ町岩代地域出身で、1918年にブラジルに渡航しコーヒー栽培や牧畜の大農場主となった。第2次世界大戦後、食糧難と就職難で危機に陥った日本の状況を知り、日本人家族を移民させる「松原計画」を立て、それを国際協力機構(JICA)が引き継ぎ、日本から大勢が渡った。

 交流協会が植えたうちで最初に咲いたのは、多くの移民を送り出した田辺市上三栖の民家、2番目が母校だったことから、真砂代表は「移民の人たちの念力が花のバイオリズムを乱したのかも。改めてこの地とブラジルとの強い絆を感じる」と語る。いずれも順調に育てば数年先には多数の花をつけ、鮮やかな黄色いぼんぼりのようになるだろうという。

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