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ヒジキ移植試験で成果 コンクリートれんがに種苗

磯に設置したコンクリート製のれんが
磯に設置したコンクリート製のれんが
れんがから伸びたヒジキ
れんがから伸びたヒジキ
 近年激減している海藻類ヒジキの復活に取り組む紀南の漁業関係者は、コンクリート製のれんが(10センチ角)を使った種苗の移植試験を続けている。これまでに一つのれんがから平均30個体(平均全長13・5センチ)のヒジキが伸びているのを確認するなど、成果を上げている。


 ヒジキの卵は母藻から1メートルほどしか拡散しないとされ、激減した磯では移植することで増殖を助けられると考えられている。県水産試験場(串本町)は以前から、漁協と協力して移植技術の確立に取り組んできた。

 今回、確立した技術を基に県が指導して、みなべ、白浜、串本の漁業関係者が実地試験を行った。れんがの周囲には、のれん状に毛糸を取り付けた。移植後の苗が小さい時期に、磯での乾燥を防ぐ効果があるとされる。

 試験では、母藻を入れた水槽で採卵して、海上か水槽のいずれかで約1カ月間育苗した。水槽では育苗に影響を及ぼす雑海藻のシオミドロなどが付着しやすいことが分かった。昨年7、8月にそれぞれの磯に移植した。

 試験場が昨年12月、串本とみなべで調べたところ、全てのれんがからヒジキが伸びているのを確認した。

 県水産試験場は「現場からの意見や要望を基に改良していければ」と話している。

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