「たぬきケーキ」人気再燃 紀南でもファンが〝捕獲〟
昭和40~50年代に全国の洋菓子店で盛んに作られた「たぬきケーキ」の人気が、令和になって再燃している。〝捕獲〟と称して購入するファンが全国各地におり、愛くるしい表情や脱力感といった魅力がSNS(会員制交流サイト)を通じ、注目されるようになった。和歌山県紀南地方でも探索が熱を帯びている。
一般的に「たぬきケーキ」は、バタークリームでたぬき形に成形し、チョコレートでコーティングした商品。バタークリームを使った商品の減少とともに、次第に店頭から姿を消していったという。
田辺市中万呂の喫茶・洋菓子店「かしの木ルーブル」の「たぬき」はプチケーキ。店主の那須鉄郎さん(69)は「約40年前の創業時にプチケーキが人気で、その一つに子どもの頃からなじみのあるたぬきを加えた。爆発的には売れないが、安定して人気がある」と話す。それだけに「なぜ、今注目されるのか」と首をかしげる。
「たぬき」は他のプチケーキと一緒に8個入り、12個入りのセット、単品でも販売している。ロールケーキの上に「たぬき」一家が並ぶ「ファミリーロール」も予約注文できる。
みなべ町北道の和洋菓子店「かつら堂」では、1982年ごろに「たぬき」が初めてショーケースに並んだ。70年代、店主の桂卓哉さん(62)が修業先のシェフから当時流行していた「たぬき」の作り方を教わったという。
商品ラインアップの見直しで、これまでに5回姿を消したが、そのたびに客からの要望で復活。根強いファンに支えられ〝生き延びて〟きた。
新しい「たぬき」もいる。串本町古座の和菓子店「しおみ」では、和菓子需要が低下する中、洋菓子にも力を入れており、テレビで「たぬき」が流行していると知って昨年末に新商品に加えた。
店主の塩見元則さん(69)は「チョコレートを本格的に扱ったことがなかったので、完成まで試行錯誤した。和菓子店なので、バタークリームにあんを入れることもある。表情だけでなく、日によって違う味を楽しんでもらえたらうれしい」と話している。
3年前から「たぬき」を追っている田辺市の会社員、長戸千紘さんは「店によって作り方も見た目も異なり、同じ店のものでも表情が一つ一つ絶妙に違う。唯一無二感が購入時の〝捕獲〟に表れている」と魅力を語る。全国に分布し、実は近所の店にもいるかもしれないという探索ゲーム感も人気の秘密という。
一般的に「たぬきケーキ」は、バタークリームでたぬき形に成形し、チョコレートでコーティングした商品。バタークリームを使った商品の減少とともに、次第に店頭から姿を消していったという。
田辺市中万呂の喫茶・洋菓子店「かしの木ルーブル」の「たぬき」はプチケーキ。店主の那須鉄郎さん(69)は「約40年前の創業時にプチケーキが人気で、その一つに子どもの頃からなじみのあるたぬきを加えた。爆発的には売れないが、安定して人気がある」と話す。それだけに「なぜ、今注目されるのか」と首をかしげる。
「たぬき」は他のプチケーキと一緒に8個入り、12個入りのセット、単品でも販売している。ロールケーキの上に「たぬき」一家が並ぶ「ファミリーロール」も予約注文できる。
みなべ町北道の和洋菓子店「かつら堂」では、1982年ごろに「たぬき」が初めてショーケースに並んだ。70年代、店主の桂卓哉さん(62)が修業先のシェフから当時流行していた「たぬき」の作り方を教わったという。
商品ラインアップの見直しで、これまでに5回姿を消したが、そのたびに客からの要望で復活。根強いファンに支えられ〝生き延びて〟きた。
新しい「たぬき」もいる。串本町古座の和菓子店「しおみ」では、和菓子需要が低下する中、洋菓子にも力を入れており、テレビで「たぬき」が流行していると知って昨年末に新商品に加えた。
店主の塩見元則さん(69)は「チョコレートを本格的に扱ったことがなかったので、完成まで試行錯誤した。和菓子店なので、バタークリームにあんを入れることもある。表情だけでなく、日によって違う味を楽しんでもらえたらうれしい」と話している。
3年前から「たぬき」を追っている田辺市の会社員、長戸千紘さんは「店によって作り方も見た目も異なり、同じ店のものでも表情が一つ一つ絶妙に違う。唯一無二感が購入時の〝捕獲〟に表れている」と魅力を語る。全国に分布し、実は近所の店にもいるかもしれないという探索ゲーム感も人気の秘密という。