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投網で落ちアユ狙う 古座川で伝統の「ササ立て漁」

ササ立て漁で小鷹網を投げる上野泰義さん(21日、和歌山県古座川町立合で)
ササ立て漁で小鷹網を投げる上野泰義さん(21日、和歌山県古座川町立合で)
 和歌山県古座川町を流れる古座川やその支流で、産卵のために川を下る「落ちアユ」を投網で狙う「ササ立て漁」が行われている。本来は今が最盛期だが、今年は渇水のために状況が悪く、長年この漁をしている上野泰義さん(75)=古座川町宇津木=は21日、「水が増えれば上流にいるアユが川を下ると思うので、今後の雨に期待したい」と話していた。


 ササ立て漁は川を横切る形でササを立てて並べることで、川を下るアユの群れを警戒させて「足止め」し、長さ8メートルほどの小鷹網を投げて捕らえる伝統漁法。古座川漁協によると、漁期は9月20日~12月19日で、正組合員が投網の鑑札を買い、申請を出すことでこの漁をしている。川幅いっぱいにササを立てず一部を開けるなどのルールがあり、管内約50カ所で行われているという。

 同町立合を流れる古座川で毎年ササ立て漁をしている上野さんは今季、9月29日から幅約40メートルの川にササを立てるなどの準備をした上で、31日から漁を始めた。

 今年で15年ほど漁を続けているといい「待っていた所にアユの群れが来て、自分の思った所に網を投げて掛けるという駆け引きが面白い」と魅力を話す。雨の後の晴れた日や増水する際などが漁に適しているという。

 今季はこれまで十数回漁に出ており、捕獲したアユは計500匹ほど。例年に比べると半分ぐらいで、サイズも全長17~20センチと小さめだという。「水位は昨年の最も低かった時よりも25センチほど低い。水が少ないためにアユが下ってくれず、状況は非常に悪い。今後、雨が降って水かさが増してくれるのを願いたい」と話していた。

 川の状況次第だが、上野さんは11月いっぱいをめどに漁を続けるという。

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