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【詳報】「入院調整かなり厳しい」 病床使用率90%超えの和歌山県

新型コロナ病床使用率
新型コロナ病床使用率
 和歌山県は21日に80人、22日に74人が、新たに新型コロナウイルスに感染したと発表した。入院者は505人、4日連続で過去最多を更新。病床使用率も右肩上がりで91・8%になった。県福祉保健部の野尻孝子技監は「90%を超えると、入院調整はかなり厳しい。医療が大変逼迫(ひっぱく)している。集団感染が起こると県民の命が守れない状態になる」とし、改めて集まっての飲食やスポーツなどを控えるよう呼び掛けた。


 入院者はここ10日は右肩上がりで、19日に過去最多の386人になってからも増え続け、22日には500人を超えた。これに対する病床使用率は13日は45・8%だったが、15日に50%を、18日に60%を超え、急上昇。22日には4月25日以来119日ぶりに90%を超えた。病床を増やしたり、軽症者の必要入院期間を短縮したりしてきたが、歯止めがかからず、過去最高だった4月25日の96・3%にも迫っている。

 病床は550床から、さらに増床を目指すとともに、入院後に症状が軽快した人らを対象に「宿泊療養」の利用も検討している。

■8月累計、千人超に

 21日に発表した感染者数80人は過去3番目、22日の74人は4番目の多さ。20日には過去最多の90人となるなど、19日以降、70人以上で高止まりしている。

 8月の累計感染者数は22日時点で千人を超え、1005人となった。これまで最多だった4月の871人をすでに上回っている。

 直近1週間の人口10万人当たり感染者数は54・2人で、6日連続で過去最多を更新。「感染爆発段階」(ステージ4)の基準25人の2倍以上となっている。

 保健所管内別では御坊78・1人、和歌山市59・3人、田辺52・7人、岩出46・1人など。このうち、和歌山市と田辺は過去最多。

■法要でクラスター 田辺管内、飲食店でも拡大

 21日と22日の2日間で発表した保健所管内別の感染者は、和歌山市71人、田辺17人、御坊15人、岩出14人、新宮と橋本が各8人、湯浅7人、海南3人、県外11人。

 県は22日、田辺保健所管内の個人宅で13~15日に営まれた法要や会食を75件目のクラスター(感染者集団)に認定した。家族や親族計31人のうち、田辺管内6人と大阪府2人の計8人(うち1人は大阪府で計上)の感染が分かった。残りの参列者については検査中。

 すでにクラスターに認定されている田辺市湊のバー「NEXT DOOR(ネクスト ドア)」では、新たに来店客8人(田辺管内4人、大阪府2人、和歌山市と御坊管内各1人)の感染が判明。クラスターは従業員らを合わせて19人になった。このうち20代男性は1年ほど前に続いての再感染。再感染の確定例は県内で初めてという。

 県は、引き続き来店者の検査を進めており、10~15日に来店した人には速やかに最寄りの保健所に連絡するよう求めている。

 このほか、クラスターとなった別の3件でも感染者が増えた。和歌山市の「古梅記念病院」では3人増え25人、同市の「古田会計事務所」では2人増え7人、海南市の自動車学校「ドライビング・スクールかいなん」では、1人増え7人となった。

 また、県警は21日、県警本部広報県民課の10代職員女性、県教育委員会は22日、義務教育課の30代職員女性の感染が分かったと発表した。

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