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【詳報】入院90人超、8月に増床 和歌山県内の新型コロナ

在宅勤務を呼び掛ける仁坂吉伸和歌山県知事
在宅勤務を呼び掛ける仁坂吉伸和歌山県知事
 和歌山県は28日、県内で新たに27人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。25人以上になるのは5月13日以来76日ぶり。また、入院者は94人に増え、5月30日以来59日ぶりに90人以上となった。県福祉保健部の野尻孝子技監は400床に減らしていた病床を8月中には470床に戻す方針を示し「強い危機感を持って対応したい」と話した。


 感染拡大は4連休の影響もあったとみられるという。感染者の保健所管内別では和歌山市11人、新宮5人、岩出4人、橋本2人、湯浅1人、県外4人。年代別は20代8人、30代6人、10代と40代が5人と40代以下が9割近くを占めた。このうち、濃厚接触者以外は12人と多く、今後感染者が増える可能性があるとしている。

 新宮管内では飲食店の従業員3人の感染が新たに分かり、来店客の検査を進めている。同管内ではこのほか2人の感染も分かったが、感染経路は不明という。

 野尻技監は「最近、新宮管内で感染者が多く、大変危惧している」と話した。新宮管内の感染者は増加傾向にあり、直近1週間の人口10万人当たりは12・8人。過去最多だった5月12日の8・0人を上回った。

 県全体では10・5人となり、70日ぶりに10人を超えた。保健所管内別で最も多いのは和歌山市の13・8人。

■「デルタ株」増加

 感染力が強いとされるインド由来の変異株「デルタ株」の感染者が増えている。

 県内の「デルタ株」感染者は、国立感染症研究所による確定が4人と、県と和歌山市の検査による「疑い」がある21人を含め25人。県のまとめによると、6月27日の週に感染を発表した人のうち、デルタ株は3人(アルファ株は17人)、7月4日の週はゼロ(9人)だったが、11日の週に2人(24人)、18日の週に11人(53人)、25日の週は27日までの3日間で9人(10人)と増加傾向にある。

 まだアルファ株の方が多いが、野尻技監は8月中にはデルタ株に置き換わるという見方を示した。

■ワクチン接種完了後感染5人

 県は、ワクチンを2回接種後に感染が分かった人はこれまで40~60代の5人いることを明らかにし、ワクチン接種後もマスク着用などの対策を取ることなども呼び掛けた。うち2人は「デルタ株」の疑いがあるという。

 このほか、東京五輪やパラリンピックは、飲食店や知人の自宅などに集まって盛り上がることはやめ、家族など普段から会う人と観戦することや、帰省は在住地の感染状況を踏まえ、慎重に行動することなども改めて求めた。

■知事「在宅勤務検討を」

 仁坂吉伸知事は28日の定例記者会見で、県内で新型コロナウイルスの感染者が増えていることを受け、積極的に在宅勤務を検討するよう、改めて県民に促した。

 感染が急拡大している東京都の直近1週間の人口10万人当たり感染者数は、27日時点で88・6人。大阪府も36・3人で「感染爆発段階」(ステージ4)の基準25人を大幅に上回っているほか、全国でも27・9人と基準を超えている。県は10・5人。

 仁坂知事は「全国的にかなり(感染が)爆発している。中心は首都圏だが、京阪神もかなりの水準になり、和歌山もかなり感染者が増えている。放置すると広がる。止めないといけない」と危機感をにじませた。

 その上で最近、県内から大阪に通勤している人の感染が増えているといい「仕事との関係で難しいかもしれないが、在宅勤務を積極的に考えてほしい。府内から通勤する社員がいる県内の会社にも検討してほしい」とした。

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