コロナ禍で木材価格高騰 世界的な需要増、紀南にも影響
コロナ禍の影響でアメリカなど世界的に建築需要が高まり、木材価格が高騰している。和歌山県紀南地方の木材業界にも影響が出ており、関係者は異例の事態に戸惑っているという。長年にわたり低迷が続いている木材業界にとって立て直しの良い機会にしたいという意見もあり、今後の状況に注目が集まっている。
紀南の木材関係者によると、アメリカでは、都心の集合住宅から郊外の一戸建てへ移住する人が増えていることから、米国内での木材の需要が高まり、価格が上昇。日本への北米材の輸出が止まった影響で、日本でも木材が不足しているという。
さらに、いち早くコロナ禍を脱したという中国が、海運で使うコンテナを買い集めていることからコンテナ不足となり、ヨーロッパの集成材が日本に入って来なくなっていることや、日本国内でも自宅で過ごす時間の増加により、自分で何かを作ったり、修理したりするDIYの人気が高まり、木材不足に拍車を掛けているという。
原木を扱う関係者によると、これまで消費税の増税時に駆け込み需要はあったが、今回のように木材価格が上昇するのは珍しいという。高品質のスギ・ヒノキの値段の上昇は大きくないが、安価な木材は平均で昨年の1立方メートル当たり約7千円から約9千円に上がっているという。「原木の価格は、1年前に比べると雲泥の差。こんな感じになるとは予想もしていなかった。原木を扱う関係者としてはありがたい」と話す。
別の木材関係者によると、昨年の梅雨から夏場はコロナ禍で木材が全く売れず、先行きが不安だったことから、山から木を切り出す「出材」を抑えていたという。ここに来て木材の需要が高まっているものの、春から梅雨は木の成長期で、出材に不向きな時季に当たることから、本格的な出材は8月ごろから。一方で「出材には1カ月前から準備が必要。今後の状況が予想しづらいので、出材のタイミングが難しい」と頭を悩ませている。
ただ、製材業者の中には、仕入れ値が上昇しても、商品価格に転嫁できず、厳しくなっている場合もあるようだ。
かつて経験したことのない状況に警鐘を鳴らす木材関係者もいる。「日本の木材業界は現在パニック状態。今の状況は良くも悪くもある。値段が上がり過ぎても困るし、いつ価格が下がるかも分からない。一部の業者だけもうけるのではなく、コロナ禍をきっかけに木材業界全体の安定を考えていかねばならない」と話した。
県西牟婁振興局林務課の担当職員は「原木の価格は低迷が続いており、昨年は特に悪かった。ようやく戻ってきているという感じ」と述べた。
紀南の木材関係者によると、アメリカでは、都心の集合住宅から郊外の一戸建てへ移住する人が増えていることから、米国内での木材の需要が高まり、価格が上昇。日本への北米材の輸出が止まった影響で、日本でも木材が不足しているという。
さらに、いち早くコロナ禍を脱したという中国が、海運で使うコンテナを買い集めていることからコンテナ不足となり、ヨーロッパの集成材が日本に入って来なくなっていることや、日本国内でも自宅で過ごす時間の増加により、自分で何かを作ったり、修理したりするDIYの人気が高まり、木材不足に拍車を掛けているという。
原木を扱う関係者によると、これまで消費税の増税時に駆け込み需要はあったが、今回のように木材価格が上昇するのは珍しいという。高品質のスギ・ヒノキの値段の上昇は大きくないが、安価な木材は平均で昨年の1立方メートル当たり約7千円から約9千円に上がっているという。「原木の価格は、1年前に比べると雲泥の差。こんな感じになるとは予想もしていなかった。原木を扱う関係者としてはありがたい」と話す。
別の木材関係者によると、昨年の梅雨から夏場はコロナ禍で木材が全く売れず、先行きが不安だったことから、山から木を切り出す「出材」を抑えていたという。ここに来て木材の需要が高まっているものの、春から梅雨は木の成長期で、出材に不向きな時季に当たることから、本格的な出材は8月ごろから。一方で「出材には1カ月前から準備が必要。今後の状況が予想しづらいので、出材のタイミングが難しい」と頭を悩ませている。
ただ、製材業者の中には、仕入れ値が上昇しても、商品価格に転嫁できず、厳しくなっている場合もあるようだ。
かつて経験したことのない状況に警鐘を鳴らす木材関係者もいる。「日本の木材業界は現在パニック状態。今の状況は良くも悪くもある。値段が上がり過ぎても困るし、いつ価格が下がるかも分からない。一部の業者だけもうけるのではなく、コロナ禍をきっかけに木材業界全体の安定を考えていかねばならない」と話した。
県西牟婁振興局林務課の担当職員は「原木の価格は低迷が続いており、昨年は特に悪かった。ようやく戻ってきているという感じ」と述べた。