葉裏に集まって越冬するオオキンカメムシ(和歌山県田辺市天神崎で)
色鮮やかな体色をした南方系のオオキンカメムシ(キンカメムシ科)が、和歌山県の紀南地方の沿岸林で集団越冬している。寒さを避け、葉裏で体を寄せ合う姿が見られる。
全長2~2・5センチほどの大形のカメムシ。背中が丸く盛り上がり、濃いオレンジ色に黒い模様が入る。腹部はルリ色の金属光沢に輝いて美しい。
田辺市の天神崎では、遊歩道沿いに自生するヒメユズリハ(ユズリハ科)やタイミンタチバナ(サクラソウ科)などに集まっている。
このカメムシは、日本が北限で、本州中部以南に分布し、県内では紀南を中心に生息する。集団越冬はすさみ町や白浜町、串本町などでも観察できる。かつてはアブラギリの害虫として知られた。