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有名シェフらが備長炭作りを視察 みなべ町清川

原正昭さん(中央)から炭焼き技術について話を聞くシェフら=和歌山県みなべ町清川で
原正昭さん(中央)から炭焼き技術について話を聞くシェフら=和歌山県みなべ町清川で
 東京都や和歌山市などの有名シェフらがこのほど、和歌山県みなべ町清川の製炭士、原正昭さん(49)の備長炭作りを視察した。

 県が県産食材のブランド力向上や活用促進を目的に、有名シェフや県内の生産者、料理人による現地視察と料理作りのワークショップを田辺市で開き、翌日、そこに参加したシェフやパティシエ7人が清川にある原さんの炭窯を訪れた。

 原さんは、炭窯周辺に置いている原木を前に、紀州備長炭の原木にはウバメガシとその他のカシ類があること、ウバメガシは高い火力が持続し、カシ類は火付きが良くいっときに火力がぐっと上がることなどの特徴を説明した。

 窯の状態や構造、窯出しの後に窯を冷まさず次に焼く原木を外から道具で立てて入れる「はね木」、投げ入れて立てる「ほうり木」といった技術があることも紹介した。原木の調達は、若木を残す「択伐」をしており、その技術を伝えるやまづくり塾を続けていることも伝えた。

 シェフからやりがいを聞かれた原さんは「やればやるほど面白い。父親から厳しく、基本をたたき込まれた。失敗や良くなった理由が分かると楽しい。基本ができていればなんでもできる」と語った。

 「レフェルヴェソンス」(東京)のヘッドシェフ、広瀬隼人さん(37)は「備長炭作りは森づくりに始まり、環境を維持しながらの持続可能なやり方だと思った。それは食材を大切にしなければならない料理にも通じること」と共感した様子だった。

 「オテル・ド・ヨシノ」(和歌山市)のシェフ、手島純也さん(45)も「職人としての姿勢が料理の世界とも同じだと思った。師匠から弟子へと伝えられ、素晴らしいものが作られているが、今の働く仕組みの中ではやりにくい面があり、その矛盾を解決していく必要があると思う」と話した。

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