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貸し切りバスの安全アピール 県協会、団体旅行復活へ

バス車内の空気が5分程度で入れ替わることの実演(和歌山市で)
バス車内の空気が5分程度で入れ替わることの実演(和歌山市で)
 新型コロナウイルスの影響で、貸し切りバスの利用が激減していることから、和歌山県バス協会(会長=久保洋介和歌山バス社長)は24日、団体旅行による需要復活につなげようと、バス会社が実施している感染防止対策とその安全性を、旅行会社にPRするイベントを和歌山市で開いた。

 催しは和歌山運輸支局内であり、バス会社19社、旅行会社19社が参加。門博文衆院議員や県議らも出席した。

 協会加盟社のうち30社が計約300台の貸し切りバスを使っているが、新型コロナで団体利用が激減した。県内事業者の貸し切りバス収入は、緊急事態宣言が出ていた5月はゼロ、6月は前年同期比99%減、7月は92・9%減、8月は91・2%減。9月は修学旅行でやや回復したが、依然厳しいという。

 イベントでは、バス車内の空気が、外気循環や強制排出をすることで、5分程度で入れ替わることを実演。空気の流れが見えるよう、白いスモークを発生させ、車体後部から排出されるのを確認した。

 その後、バス車内に移動し、モニターを見ながら、バス会社の取り組みの一例として、龍神自動車(田辺市あけぼの)の取り組みを聞いた。車内空気を浄化抗菌する装置の設置▽車内をアルコールで拭いて除菌▽乗客の飛沫(ひまつ)が前に飛ばないようにする、使い捨ての段ボールのパーティション(間仕切り)を用意▽マスクを持参していない乗客に1枚無料配布▽乗務員の健康状態や体温を確認し、支障があれば交代―などの対策をしていることを紹介した。他の加盟各社もそれぞれ対策をしているという。

 和歌山市の旅行会社、阪和ワールドツーリストの桃原哲生社長は「『Go To トラベル』や県の『リフレッシュプラン』で個人旅行は少し復活してきたが、それでも前年比の50%にしかならない。海外からの旅行がない中、団体旅行がないと(旅行会社の)業界は商売できない。バスの安全性を目で確かめられたので、セールスのときに利用したい」と話した。

 県バス協会貸切委員会の委員長で、龍神自動車社長の小川豊介さんは「緊急事態宣言が出る前後から、貸し切りバスの稼働がほとんどゼロに等しい状況だった。秋口から修学旅行などで徐々に増えてきたが、稼働が少ない状況は続いている。今回のイベントをきっかけに、貸し切りバスは安全であるということを周知していきたい」と述べた。
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