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町の歴史の一端味わう 上城遺跡現地説明会に60人

雨の中、多くの人が見学した「上城遺跡・上城城跡」の発掘調査現地説明会(和歌山県みなべ町東吉田で)
雨の中、多くの人が見学した「上城遺跡・上城城跡」の発掘調査現地説明会(和歌山県みなべ町東吉田で)
 和歌山県みなべ町東吉田の「上城(うえんじょ)遺跡・上城城跡」で新たに見つかった古墳時代と中世の遺構の発掘調査現場で17日、現地説明会(町教育委員会主催)があった。雨天だったが約60人が、説明を聞きながら興味深そうに遺構や出土品を見学した。

 調査では、古墳時代中期後半(5世紀後半ごろ)の竪穴建物跡2基や土師器(はじき)や須恵器の一部、また、室町時代(15世紀後半ごろ)の掘立柱建物跡2基や瓦質土器、青磁、古瀬戸の一部が見つかっている。

 一般公開では、豊田泰猛町教育長が「調査によって、古墳時代や中世に生活していた姿が一部見られるようになった。ぜひ皆さんと情報共有し、町の宝として記録すべきだと考え、説明会を開催した。町の歴史の一端を味わっていただければ幸い」とあいさつした。

 続いて、発掘調査を指導した県教委文化遺産課の仲辻慧大さん(33)が調査成果を説明し「この辺りは近現代になって削られているが、幸い、この部分で埋蔵文化財が残っていた。これまで平野部では古墳時代や中世の同じ時期の遺跡の発掘調査をしていたが、(丘陵地の)ここで遺構が出てくるとは思っていなかった。この場所は見晴らしが良く、当時、何らかの目的があって生活していたのだろう」と語った。

 近くに住む松本佳示さん(81)は「当時の生活の様子がふつふつと感じられる。普段の生活は、素朴で楽しく暮らしていたのではないかと思う」と、遠い時代に思いを巡らせながら話した。

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