日当たりのよい枝に止まったムカシヤンマ(和歌山県紀南地方の山中で)
原始的な特徴を備えた大形のトンボ「ムカシヤンマ」(ムカシヤンマ科)が、和歌山県紀南地方の山中で発生している。場所によっては6月中旬まで飛び交う姿が見られる。
ヤゴ(幼虫)は他のトンボ類と違い、通年水が滴りコケ類が茂っているような斜面湿地に穴を掘って数年過ごす。日本特産種で、分布は広いが個体数は少ないとみられている。
成虫は体長8センチほどの大きさ。輻射熱(ふくしゃねつ)が得られやすい岩やコンクリート、枝などに体を密着させて止まることが多い。県のレッドデータブックで準絶滅危惧に分類されている。