和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

アクセス集中し不具合 高校の学習支援サービス

 新型コロナウイルスの感染拡大による休校の影響で、全国の高校生がパソコンやタブレットなどを使って利用する学習支援サービス「Classi(クラッシー)」にアクセスが集中し、つながりにくい状態になった。和歌山県紀南地方でも導入している高校があり、影響を受けた。

 教育大手ベネッセホールディングスと通信大手ソフトバンクが共同出資する会社が運営し、全国の高校の約半数、高校生の約3分の1が利用しているという。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、クラッシーの会社は未実施の高校を対象に30日まで一部サービスを無料で提供している。これを受け、県教育委員会は休校期間中にクラッシーで生徒の学習を支援するよう各高校に呼び掛けた。

 田辺市学園の田辺高校は、2018年度から大学入試の対策でクラッシーを取り入れている。休校期間中は学校から生徒への連絡や生徒の体温の報告、学習課題の配信などで利用し、教員による授業の動画を配信する準備をしていた。

 同校は「政府の緊急事態宣言が出て全国からアクセスが集中し、つながりにくくなった。16日は改善されてきており、休校延長をクラッシーを通じて連絡した」と話す。

 同市文里2丁目の神島高校は13日以降、休校期間中にクラッシーを活用してもらおうと、全生徒にIDとパスワードを郵送していた。課題のプリントも一緒に送付しており、大きな影響はなかったという。

 クラッシーの会社は15日、アクセス集中によってシステムの不具合が発生しているとして、メンテナンスのため夜間のサービスを停止すると発表した。

 13日にはシステムがサイバー攻撃を受け、利用者約122万人分のIDや暗号化されたパスワードなどが流出した可能性があると発表。必要な対応は完了しているが、利用者には念のためパスワードを変更するよう呼び掛けている。

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