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学校の机や床に紀州材 田辺市が森林環境譲与税活用

節目も鮮やかな県産ヒノキを加工した集成材を使用した机の天板と教室の床(和歌山県田辺市の大坊小学校で)
節目も鮮やかな県産ヒノキを加工した集成材を使用した机の天板と教室の床(和歌山県田辺市の大坊小学校で)
 和歌山県田辺市は20日、森林環境譲与税を活用して、小中学校施設を木質化する考えを明らかにした。学習机の天板と教室の床材を紀州材製にする。子どもが木に触れる機会を増やすとともに、地元材活用をPRする狙いがある。

 森林環境譲与税は2019年度に導入された。20年度の市への配分額は約2億2千万円で、全国屈指。使途は森林整備やそれを担う人材育成、木材利用の促進などと定められている。

 机の天板は合板だったのを県産ヒノキを加工した集成材(縦45センチ、横65センチ、厚さ2センチ)にする。20年度は5小学校(上秋津、中辺路、近野、鮎川、本宮)に715台を導入する。

 教室の床はフローリングが主だが、同じく県産ヒノキの集成材にする。20年度は4中学校(高雄、上秋津、秋津川、中辺路)の16教室で張り替える。

 集成材は同市中辺路町の木材加工場で生産予定。市は机の木質化に1千万円、床材の木質化に2千万円を計上するなどの一般会計予算案を26日開会の3月市議会に提出する。

 木質化は市立小中学校全校が対象で、順次進める。市内ではすでに大坊、三里両小学校が紀州材の天板、床材を使用している。

 市教育委員会教育総務課は「子どもたちに温かみのある木に触れてもらいたい。木がどこで、どのように育っているかなど地元の森林や林業を学ぶことにもつながる」と期待している。

■民有林整備へ

 森林環境譲与税は、森林整備を目的に国税の「森林環境税」とともに創設された。本格実施は24年度からで、個人から年千円を徴収。国に集まった税金を譲与税として、市町村や都道府県に配分する。

 田辺市への配分額は19年度が約1億570万円。20、21両年度はともに2億2463万円。24年度には約3億5676万円になる見込み。

 市は譲与税を財源に、手入れが行き届いていない民有林を集約して管理する国の「森林経営管理制度」に基づく取り組みを進める。

 20年度は森林所有者に今後の管理について考えを聞くための意向調査や森林経営管理権を取得した森林の整備費など約5804万円を一般会計予算案に盛り込んでいる。

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