熊野の価値 再確認 開館15周年の熊野本宮館で記念シンポ、和歌山
世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」登録20周年と和歌山県田辺市本宮町の世界遺産熊野本宮館の開館15周年を記念したシンポジウムが9日、同館であった。名誉館長を務める作家・荒俣宏さんらによる講演や関係者によるパネルディスカッションなどがあり、来場した約150人が熊野の意義や価値を再確認した。
記念シンポジウムは「熊野の光 未来への再生~山岳信仰の聖地 熊野本宮」と題し、同市や国際熊野学会などが開いた。
最初に荒俣さんが「未来に伝えたい聖地熊野の魅力」というテーマで記念講演し、続いて、前日本山岳修験学会会長である鈴木正崇・慶応大学名誉教授が修験と熊野の関係について基調講演で解説した。
さらに「聖地熊野を語る」と題したパネルディスカッションを開催。国際熊野学会の山本殖生代表委員がコーディーネーターを務め、熊野本宮大社の九鬼家隆宮司と田辺市熊野ツーリズムビューローの多田稔子会長、真砂充敏市長、金山秋男・明治大学名誉教授がパネリストとして意見を交換した。
多田会長は「世界遺産に登録されていない所も大事な道であり、歩いてもらえるように力を注ぎたい。歩いている人がいてこそ熊野古道は価値がある。歩く人をずっとつくっていきたい」と力を込めた。
真砂市長は「将来この地域が、世界の聖地になればという夢を持っている。持続可能や共生社会、多様性、寛容といった今日的なキーワードはほとんど、千年以上前から熊野が普通にやってきたこと」と述べた。
最後にコメンテーターを務めた鈴木名誉教授が「熊野は世界遺産になってよみがえった。インバウンド(訪日外国人客)が増えているが、何がそもそも重要な点なのかをきちっと説明できないと一過性で終わってしまう。リピーターとしてインバウンドを捉えるのであれば海外に対する発信を考え、今の上り調子をうまくつなげていかなければ」と呼びかけた。
この他、熊野本宮語り部の会の谷口佳子さんによる熊野観心十界曼荼羅(まんだら)絵解きの実演もあった。
記念シンポジウムは「熊野の光 未来への再生~山岳信仰の聖地 熊野本宮」と題し、同市や国際熊野学会などが開いた。
最初に荒俣さんが「未来に伝えたい聖地熊野の魅力」というテーマで記念講演し、続いて、前日本山岳修験学会会長である鈴木正崇・慶応大学名誉教授が修験と熊野の関係について基調講演で解説した。
さらに「聖地熊野を語る」と題したパネルディスカッションを開催。国際熊野学会の山本殖生代表委員がコーディーネーターを務め、熊野本宮大社の九鬼家隆宮司と田辺市熊野ツーリズムビューローの多田稔子会長、真砂充敏市長、金山秋男・明治大学名誉教授がパネリストとして意見を交換した。
多田会長は「世界遺産に登録されていない所も大事な道であり、歩いてもらえるように力を注ぎたい。歩いている人がいてこそ熊野古道は価値がある。歩く人をずっとつくっていきたい」と力を込めた。
真砂市長は「将来この地域が、世界の聖地になればという夢を持っている。持続可能や共生社会、多様性、寛容といった今日的なキーワードはほとんど、千年以上前から熊野が普通にやってきたこと」と述べた。
最後にコメンテーターを務めた鈴木名誉教授が「熊野は世界遺産になってよみがえった。インバウンド(訪日外国人客)が増えているが、何がそもそも重要な点なのかをきちっと説明できないと一過性で終わってしまう。リピーターとしてインバウンドを捉えるのであれば海外に対する発信を考え、今の上り調子をうまくつなげていかなければ」と呼びかけた。
この他、熊野本宮語り部の会の谷口佳子さんによる熊野観心十界曼荼羅(まんだら)絵解きの実演もあった。