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サンゴや串本の海を学ぶ

サンゴの標本を手に取る児童(和歌山県串本町串本で)
サンゴの標本を手に取る児童(和歌山県串本町串本で)
 ラムサール条約が制定された日を記念する「世界湿地の日」(2月2日)に合わせ、和歌山県串本町串本の串本小学校でこのほど、串本の海やサンゴについて学ぶ出前授業があった。小学5年生6人が海の豊かさやサンゴの働き、地形などについて理解を深めた。

 町や南紀熊野ジオパークセンター(串本町潮岬)、串本海中公園センター(同町有田)が共催。ジオパークセンターでは世界湿地の日に合わせてパネル展を実施。その一環で出前授業を開いた。

 授業では海中公園センターの森美枝館長とジオパークセンターの本郷宙軌主査研究員が講師を務めた。

 ラムサール条約は貴重な湿地の自然と生き物を守るための取り決め。町内では「串本沿岸海域」として2005年に同条約湿地に登録され、今年で20周年。

 串本の海では120種以上のサンゴが見つかっている。これまで池や沼、川が登録されることが多かったが、日本で最初に海域が登録された場所だという。

 森館長は「貴重な生き物がいるだけでなく、地元の人がそこの場所を大切に守っているかというのも評価される」と解説。その上で昔はサンゴがしっくいの材料になっていたこと、ダイビングなど観光資源として利用しながら保全活動が続けられていることを伝えた。

 さらに「世界的に見ても貴重な場所だと認められている。環境破壊でサンゴがどんどんなくなっている。皆さんの努力がなければ将来なくなってしまうかもしれない。そういうことがないように今日はいろいろと勉強して考えてもらいたい」と呼びかけた。

 本郷主査研究員は大地とサンゴの関係について解説。火山由来の硬い岩でできている潮岬に潮がぶつかり、西側でサンゴが成長していることを説明した。

 その後、児童はサンゴの標本や体のつくりを紹介する模型を観察し、サンゴの特徴を調べた。

 尾﨑晴臣君(10)は「ラムサール条約は地域の人がどれだけ大切にしているかというところも見られるので、海を大切にしていこうと思った」と話した。

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