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災害への備え大丈夫? 備蓄品や簡易トイレ点検 和歌山県田辺市上芳養

簡易トイレの使い方を学ぶ訓練の参加者(和歌山県田辺市上芳養で)
簡易トイレの使い方を学ぶ訓練の参加者(和歌山県田辺市上芳養で)
 和歌山県田辺市上芳養地区の防災訓練・学習会が25日、上芳養中学校体育館であった。約100人が参加して避難所の備蓄品を点検したほか、簡易トイレの組み立て方を学んだ。

 上芳養町内会と公民館の共催。「市主催の訓練は3年に1回で、防災意識を高めるため継続的に取り組みたい」と独自に企画した。中学生も運営に協力。紀南在住の防災士らでつくる「きなんに防災を広め隊」の鹿毛智子さんと石山雅美さんが講師を務めた。市消防本部による心肺蘇生などの救命、救護訓練もあった。

 訓練はマグニチュード(M)7以上の大地震が発生し、田辺市街地が津波被害を受けていると想定。地区内でも大規模な山崩れや家屋の倒壊があり、中学校に避難しているとした。

 体育館には備蓄の毛布や保存食のクラッカー、発電機、パーティション、簡易トイレなどが並べられた。鹿毛さんは「何があって、何が足りないか点検してほしい。足りない物は購入し、古い物は入れ替えて」と呼びかけた。

 中でも重要と訴えたのがトイレ。簡易トイレの使用法を実演したほか、水が出なくなった学校や家庭のトイレを災害用のトイレに変身させる方法を指導した。

 洋式トイレなら便座を上げて水色の大ビニール袋を広げ、便器にかぶせる。便座を下ろして水色の袋の上に黒色のビニール袋をかぶせる。使用後は凝固剤を入れ、黒色のビニール袋を取り出して、ごみ箱に捨てる―。ビニール袋や凝固剤をセットにして、トイレに備えて置くことを勧めた。

 上芳養中1年の橋本大地さんは「災害時にトイレが使えなくなると知った。対策を学べたので生かしたい」、2年の佐向愛菜さんは「避難所でもまだまだ足りない物がある。自宅では昨夏の南海トラフ地震臨時情報をきっかけに、飲料水のペットボトルを備蓄している」と話した。

 町内会の船本幸雄会長は「災害は必ずやって来る。高齢化が進む地域で、中学生は貴重な戦力。訓練を継続し、地域のつながりを生む機会にもしたい」と語った。
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