「カルガモ増える」
寒気の影響で冬らしい日が続いている。屋外で背を丸めながら撮影することも多い▼「紙面に彩りを」と動植物の写真を積極的に掲載しているが、冬季は花を咲かせる草木が少なく、野鳥を狙うことが多い。水辺は渡り鳥が飛来する絶好の撮影ポイントだ▼最近、カモの仲間のカルガモを、どこに行っても見かけるようになった。子ガモを引き連れて引っ越しするシーンが毎年ニュースで流れるおなじみのカモである▼日本野鳥の会県支部の会員に聞いても、増加傾向は明らかだという。要因の一つに河川の護岸工事を挙げる。災害対策として堤防を高くしたことでヒトが簡単に水際まで近づけない場所が増えた。その結果「コンクリートの要塞(ようさい)」に守られ、安心して繁殖できるようになったということだろうか▼さらに今シーズンは小型の水鳥カイツブリの若鳥が目立つ。昨年大雨が少なかったためと推測されている。水の上に巣を作るカイツブリにとっては好都合だった。田辺市稲成町のため池でも数年ぶりに繁殖が確認された▼自然の営みを見るたびほほ笑ましく思うが、スズメやツバメなど野鳥を取り巻く環境は年々厳しくなっている。そう考えると、手放しでは喜べない。(海)