『海に眠るダイヤモンド』斎藤工、池田エライザとの“大人の恋愛”シーンを回想「ビターな雰囲気が漂っている」
俳優の神木隆之介が主演を務める、TBS系日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』(毎週日曜 後9:00)。第6話では、鉄平の幼馴染である百合子(土屋太鳳)&賢将(清水尋也)の結婚というおめでたい展開に加え、鉄平の兄・進平(斎藤工)とリナ(池田エライザ)との恋が進展。息子・誠の誕生により、荒木家はさらに賑やかになった。今回は、新たな生命の誕生を喜ぶ進平を演じる斎藤工にインタビュー。これまでの反響や作品への想い、共演者との秘話を深掘りする。
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――これまでの反響はどのように届いていますか?
テレビドラマ、そして日曜劇場の浸透力を改めて感じています。国内だけではなく、海外からも反響をいただいていて、本作の「日本から世界へ発信するドラマを作る」という思いが届いているのではないかなと。主演の神木さんや、脚本・野木亜紀子さんや塚原あゆ子監督の作品に注目している海外ファンの皆さんのコメントも見る機会があり、世界中の作品を楽しめるとてもいい時代になったなと思います。
――改めて本作の魅力をどう感じていますか?
これまでのエピソードで進平が実は次男であることや、高度成長期に多くを失いながらも力強く生きる人々の姿が丁寧に描かれ、本作の真髄が視聴者の皆さんにも伝わったのではないでしょうか。戦争や被爆体験を単なる歴史としてではなく、それに寄り添いながら生きる人々の物語として描かれる脚本が本当に素晴らしい。完成した映像を見ることで、改めてその繊細な描写に気づくこともありました。
――実際に映像を見てお芝居が変わったことは?
放送を通して、それぞれのキャラクターの背景が描かれることで、彼らが背負ってきたものを理解したうえで演じることができるようになりました。端島という場所では、近くにいて顔馴染みであるということが、もう一段階深いつながりになります。だからこそ、設定上では知らない相手のことも意識して演じることで、すれ違うシーンを1つとってもより相手を思う気持ちが表現できるようになりました。
――撮影と放送が並行していることで、お芝居にも良い影響があるんですね。
そうですね。映画と違い、連続ドラマでは視聴者の反響や放送を見て感じたことを持って撮影に戻ることができるのが大きい。スタッフ・キャスト全員が反響の喜びをエネルギーに変え、さらに撮影に注力できる循環があるため、1人で役を作り上げたというよりもみんなで一緒に作り上げたという実感があります。すごく頼もしい現場で、撮影が進むほど恵まれた環境への感謝が大きくなっています。
――とても雰囲気が良い撮影現場ということが伝わってきます。
とにかく撮影現場全体を大切にしてくれる、本当に理想的な制作環境です。炭鉱シーンの撮影場所である鉱山では、電波が届かずトランシーバーも使えませんでしたが、塚原監督がどんな些細なことでも遠くからダッシュで駆けつけてくださって、こちらの不安を解消してくれました。現場を作り上げる皆さんの努力や配慮には、いつも感謝の思いが尽きません。
――リナとの恋仲も展開してきましたが、2人の関係性を振り返ってみていかがですか?
脚本の段階で鮮やかに描かれていたリナと進平の絶妙な距離感を、監督陣が映像でさらに立体的に仕上げてくれています。2人の関係性は役者同士の間合いだけではなく、客観的に切り取ってもらうことでさらに解像度が高くなる。僕自身も放送を見て「こういう距離で正解だったんだな」と答え合わせをしている感覚があります。2人の恋模様は鉄平と朝子、百合子と賢将とは異なる湿度がありますし、それが独特の魅力を生んでいるのだろうなと。
――大人ならではの恋愛ですよね。
そうですね。進平とリナは恋愛関係である以前に、お互いに愛する人を失ったという共通の悲しみを抱えることで深く共鳴し合っています。だから、ほかのキャラクターたちの恋愛に比べてビターな雰囲気が漂っているのではないでしょうか。
――池田さんと共演してみていかがでしたか?
撮影現場で池田さんと塚原監督がよく話している姿を目にしました。池田さんご自身も「リナという役は、野木さんから私への挑戦状だと思う」と口にされていて、それほど真剣にシーンごとに魂を注いでいらっしゃっていることが伝わってきました。個人的には、セリフのないやり取りがなく、2人で海を見つめているような、目線や表情で感情を表現するシーンが印象に残っています。
――キャラクターのキュンポイントを作ることにこだわりがある新井順子プロデューサー。斎藤さんへのリクエストはありましたか?
新井プロデューサーとは監督陣以上に会話をしているのですが、いつも雑談ばかりでキュンポイントは言われたことはないですね(笑)。ただ新井さんを含めた制作陣の作品はこれまでも見てきたので、進平というキャラクターの方向性は感じ取っていて。ポジションで言うと『アンナチュラル』(2018年)の井浦新さんが演じる中堂系が近いのかもしれません。意識をしているわけではないのですが、進平もボサボサ髪なので(笑)。僕もキュンポイントのヒントがほしかったなぁ。塚原監督には、初回の撮影のときに「これで行こう!かわいい!」とビジュアルを褒めてもらい、その言葉で役の方向性が固まった感覚もありました。
――他のキャラクターにキュンとしたポイントは?
第4話で百合子にネックレスを渡してあげる賢将がめちゃくちゃ刺さりました。ああいった優しい寄り添い方は素敵ですよね。鉄平や賢将みたいに、明るくてわかりやすいA面があるキャラクターのほうが、B面のコントラストが強くて突き刺さる。役柄の本質が見えたときにキュンとするんだと思います。
――ちなみに、作中でテンションが上がった設定はありますか?
第4話で出てきた精霊流しが、和尚を演じるさだまさしさんの「精霊流し」という曲を連想させたり、「キネカ大森」(東京・大森にある、街に唯一残った映画館)でチケットもぎりとして働く片桐はいりさんが、大森という役名で出演していたり。そういった細かい設定にも意味が込められていて、無意味なものが1つもないことに驚きました。こうした要素があるからこそ、視聴者の心にも深く響く作品になっているのだと思います。
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――これまでの反響はどのように届いていますか?
テレビドラマ、そして日曜劇場の浸透力を改めて感じています。国内だけではなく、海外からも反響をいただいていて、本作の「日本から世界へ発信するドラマを作る」という思いが届いているのではないかなと。主演の神木さんや、脚本・野木亜紀子さんや塚原あゆ子監督の作品に注目している海外ファンの皆さんのコメントも見る機会があり、世界中の作品を楽しめるとてもいい時代になったなと思います。
――改めて本作の魅力をどう感じていますか?
これまでのエピソードで進平が実は次男であることや、高度成長期に多くを失いながらも力強く生きる人々の姿が丁寧に描かれ、本作の真髄が視聴者の皆さんにも伝わったのではないでしょうか。戦争や被爆体験を単なる歴史としてではなく、それに寄り添いながら生きる人々の物語として描かれる脚本が本当に素晴らしい。完成した映像を見ることで、改めてその繊細な描写に気づくこともありました。
――実際に映像を見てお芝居が変わったことは?
放送を通して、それぞれのキャラクターの背景が描かれることで、彼らが背負ってきたものを理解したうえで演じることができるようになりました。端島という場所では、近くにいて顔馴染みであるということが、もう一段階深いつながりになります。だからこそ、設定上では知らない相手のことも意識して演じることで、すれ違うシーンを1つとってもより相手を思う気持ちが表現できるようになりました。
――撮影と放送が並行していることで、お芝居にも良い影響があるんですね。
そうですね。映画と違い、連続ドラマでは視聴者の反響や放送を見て感じたことを持って撮影に戻ることができるのが大きい。スタッフ・キャスト全員が反響の喜びをエネルギーに変え、さらに撮影に注力できる循環があるため、1人で役を作り上げたというよりもみんなで一緒に作り上げたという実感があります。すごく頼もしい現場で、撮影が進むほど恵まれた環境への感謝が大きくなっています。
――とても雰囲気が良い撮影現場ということが伝わってきます。
とにかく撮影現場全体を大切にしてくれる、本当に理想的な制作環境です。炭鉱シーンの撮影場所である鉱山では、電波が届かずトランシーバーも使えませんでしたが、塚原監督がどんな些細なことでも遠くからダッシュで駆けつけてくださって、こちらの不安を解消してくれました。現場を作り上げる皆さんの努力や配慮には、いつも感謝の思いが尽きません。
――リナとの恋仲も展開してきましたが、2人の関係性を振り返ってみていかがですか?
脚本の段階で鮮やかに描かれていたリナと進平の絶妙な距離感を、監督陣が映像でさらに立体的に仕上げてくれています。2人の関係性は役者同士の間合いだけではなく、客観的に切り取ってもらうことでさらに解像度が高くなる。僕自身も放送を見て「こういう距離で正解だったんだな」と答え合わせをしている感覚があります。2人の恋模様は鉄平と朝子、百合子と賢将とは異なる湿度がありますし、それが独特の魅力を生んでいるのだろうなと。
――大人ならではの恋愛ですよね。
そうですね。進平とリナは恋愛関係である以前に、お互いに愛する人を失ったという共通の悲しみを抱えることで深く共鳴し合っています。だから、ほかのキャラクターたちの恋愛に比べてビターな雰囲気が漂っているのではないでしょうか。
――池田さんと共演してみていかがでしたか?
撮影現場で池田さんと塚原監督がよく話している姿を目にしました。池田さんご自身も「リナという役は、野木さんから私への挑戦状だと思う」と口にされていて、それほど真剣にシーンごとに魂を注いでいらっしゃっていることが伝わってきました。個人的には、セリフのないやり取りがなく、2人で海を見つめているような、目線や表情で感情を表現するシーンが印象に残っています。
――キャラクターのキュンポイントを作ることにこだわりがある新井順子プロデューサー。斎藤さんへのリクエストはありましたか?
新井プロデューサーとは監督陣以上に会話をしているのですが、いつも雑談ばかりでキュンポイントは言われたことはないですね(笑)。ただ新井さんを含めた制作陣の作品はこれまでも見てきたので、進平というキャラクターの方向性は感じ取っていて。ポジションで言うと『アンナチュラル』(2018年)の井浦新さんが演じる中堂系が近いのかもしれません。意識をしているわけではないのですが、進平もボサボサ髪なので(笑)。僕もキュンポイントのヒントがほしかったなぁ。塚原監督には、初回の撮影のときに「これで行こう!かわいい!」とビジュアルを褒めてもらい、その言葉で役の方向性が固まった感覚もありました。
――他のキャラクターにキュンとしたポイントは?
第4話で百合子にネックレスを渡してあげる賢将がめちゃくちゃ刺さりました。ああいった優しい寄り添い方は素敵ですよね。鉄平や賢将みたいに、明るくてわかりやすいA面があるキャラクターのほうが、B面のコントラストが強くて突き刺さる。役柄の本質が見えたときにキュンとするんだと思います。
――ちなみに、作中でテンションが上がった設定はありますか?
第4話で出てきた精霊流しが、和尚を演じるさだまさしさんの「精霊流し」という曲を連想させたり、「キネカ大森」(東京・大森にある、街に唯一残った映画館)でチケットもぎりとして働く片桐はいりさんが、大森という役名で出演していたり。そういった細かい設定にも意味が込められていて、無意味なものが1つもないことに驚きました。こうした要素があるからこそ、視聴者の心にも深く響く作品になっているのだと思います。
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