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応援受け入れ体制強化 避難所の環境改善も、和歌山県が防災計画

能登半島地震を教訓に、県地域防災計画の修正を議論する県防災会議(25日、和歌山県庁で)
能登半島地震を教訓に、県地域防災計画の修正を議論する県防災会議(25日、和歌山県庁で)
 和歌山県は25日、県防災会議を開き、能登半島地震を教訓に県防災計画を見直した。応援を受ける「受援体制」の強化や避難所の環境改善などを盛り込んだ。県はこれに基づき、市町村にも防災計画の見直しを呼びかけていく。


 県防災会議には岸本周平知事や県幹部、電気、通信、道路、鉄道の各事業者ら約60人が出席した。

 計画見直しの柱は、避難所以外で避難生活を送る避難者への支援▽受援体制の整備・強化▽良好な避難所環境への配慮▽災害に備えた道路ネットワークの構築―の4本。

 このうち、避難所環境については、県防災計画に「常に良好なものであるよう努めるものとする」と明記。快適なトイレの確保や栄養バランスの取れた適温の食事の提供などに努めるよう記載した。県は本年度、トイレカーやキッチンカーを導入することにしており、市町村でも整備が進む見込みという。

 在宅避難者や車中泊避難者については、避難所と同様に必要な支援が受けられるよう、市町村に対し、県などと連携し、あらかじめ支援拠点設置などの支援策を検討することを求めた。在宅避難者や車中泊避難者の詳細把握や情報伝達の体制構築も検討したいとしている。

 受援体制については、能登半島地震で、応援職員の拠点となる宿泊施設が不足。実際、和歌山県からの応援職員も役場庁舎の廊下などで仮眠を取りながら避難所運営に当たるなど、過酷な条件での活動を余儀なくされた。

 和歌山県も同様のことが懸念されるため、県は応援職員の宿泊場所として活用可能なホテル、旅館、公共施設の空きスペースなどのリスト化を検討していくとしている。

 国は受援計画の策定を求めており、県は30市町村のうち未策定の10市町に策定を呼びかける。印南町以南では、古座川町、太地町、新宮市以外は策定済みという。

 また、能登半島地震で各地の幹線道路が寸断し、孤立集落が多く発生したことから、道路ネットワークの整備も進めるとした。

 能登半島地震の被災地には、県内から延べ7千人を超える県・市町村職員が支援に入ったという。岸本知事は「ここで得られた知見や教訓は大きなものがあった。8月の南海トラフ地震臨時情報発表により、大規模災害への備えへの緊急性が高まっている」と述べ、防災対策強化への協力を呼びかけた。

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