プラスチックに生分解性を付与する添加剤P-Lifeを添加したポリプロピレンの分解菌を発見。11月28日(木)に日本分子生物学会で発表
西鎌倉小学校の土壌に生息する微生物が難分解性プラスチックストローを分解
株式会社伊藤園(社長:本庄大介 本社:東京都渋谷区)と慶應義塾大学(塾長:伊藤公平 所在地:東京都港区)、慶應義塾先端科学技術研究センター(所長:津田裕之 所在地:神奈川県横浜市)、ピーライフ・ジャパン・インク株式会社(社長:冨山績 本社:東京都世田谷区)、SI樹脂産業株式会社(社長:坂下信行 本社:静岡県牧之原市)の研究チームは、プラスチックに生分解性を付与する添加剤「P-Life」(用語1)を添加したポリプロピレン(以下PP(用語2))の分解菌を取得することに成功しました。この成果は、難分解性ポリオレフィン系プラスチック(用語3)の微生物による分解処理を実現する上で重要な一歩で、これらの分解菌は、ポリオレフィン系プラスチックから生成したマイクロプラスチックの分解・除去にも有効だと期待できます。
本成果は、2024年11月28日の日本分子生物学会で発表します。
主要研究者:株式会社伊藤園 内山修二、慶應義塾大学理工学部 生命情報学科教授の宮本憲二・二木彩香、慶應義塾先端科学技術研究センター研究員 黄穎、ピーライフ・ジャパン・インク株式会社 冨山績、SI樹脂産業株式会社 安倍義人
慶應義塾大学による本件の詳細リリースはこちら:https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2024/11/25/28-163357/
[画像1]https://digitalpr.jp/table_img/2571/99789/99789_web_1.png
近年、環境へのプラスチックの流出と蓄積が大きな社会問題となっています。中でも、PPやPEなどのポリオレフィン系プラスチックは難分解性であり、特にPPは自然界での微生物分解が非常に困難です。この様な状況の中、ピーライフ・ジャパン・インク株式会社により、ポリオレフィン系プラスチックに分解性を付与する画期的な添加剤「P-Life」が2003年に開発されました。
本研究チームは、上述の社会課題への対応のため、2019年よりP-Lifeを配合した「P-Life添加PPストロー」の研究を開始して生分解度測定を行ってきましたが(※2)、これまでの手法では分解菌の取得(単離)には至りませんでした。しかし、分離条件を工夫することで、2022年度に「共生アップサイクル社会」共創拠点の一環として「地球に還るストロープロジェクト」(※3)を実施した鎌倉市立西鎌倉小学校の土壌から分解菌の取得(単離)にはじめて成功し、また高い分解能があることを明らかとしました。
[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2571/99789/700_212_202411251150266743e5f240a73.jpg
本成果により見いだされた分解菌とP-Lifeを組み合わせることで、ポリオレフィン系素材を使用した製品などの生分解効率の大幅な向上が期待できます。したがってこれらの分解菌は、これまで困難とされていたPPの生分解を可能とし、難分解性プラスチック問題の解決に向けて重要な貢献を果たすことが期待されます。
今後本研究チームは、ポリオレフィン系素材を使用した様々な製品(キャップ、ボトル、ラベルなど)やポリオレフィン系以外の素材についても分解菌とP-Lifeによる効果を検証し、難分解性プラスチック問題の解決に向けた取組みを推進してまいります。
(※1)P-Lifeを配合したPPの分解菌を、P-Life添加PPストローに作用させたところ明確な分解痕を確認。また、これらの分解菌はP-Life含有PEも分解することが分かった。
(※2)JIS K6955法“プラスチックの土壌中での二酸化炭量測定による好気的究極生分解度の求め方”に基づき代謝分解を検証
(※3)慶應義塾大学が代表機関となり、参画企業と参画大学、鎌倉市の共創による国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)地域共創分野育成型デジタル駆動超資源循環参加型社会共創拠点」のプログラムのことです。当プログラムは、地域大学等を中心とし、地方自治体、企業等とのパートナーシップによる、地域の社会課題解決や地域経済の発展のための自立的・持続的な地域産学官共創拠点の形成を目的としたものです。
-学会発表情報-
第47回日本分子生物学会、11月28日、福岡国際会議場 マリンメッセ福岡
演題:P-Life含有ポリプロピレンの微生物分解メカニズムの解明
演者:二木 彩香、黄 穎、冨山 績、安倍 義人、内山 修二、宮本 憲二
-研究費-
本研究は、JST共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)JPMJPF2111 の支援により行われました。
-用語の説明-
(用語1)P-Life
微生物分解が困難とされる難分解性プラスチックを、微生物分解へと導く画期的な添加剤です。難分解性プラスチックは、P-Lifeにより官能基を持つ低分子化合物へと変化し、微生物により分解されやすくなります。さらにP-Lifeは, 植物油から製造されており、安全性の高いものです。また、P-Lifeは、PPの物性や加工性に影響を与えません
(用語2)ポリプロピレン(PP)
水素と炭素から構成される合成樹脂で、日常で最も目にするプラスチック素材の一つです。ポリエチレン(PE)と比べて硬く、耐熱温度も高い点が特徴です。
(用語3)ポリオレフィン系プラスチック
単純なオレフィンをモノマーとして合成された高分子化合物の総称です。代表的なものとして、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)があります。一般的に、微生物による生分解は困難で(自然界に存在する微生物の働きで最終的にCO2と水に完全に分解することが困難な性質)、環境中に廃棄されたプラスチックの多くは蓄積されてしまいます。
プレスリリース詳細へ https://digitalpr.jp/r/99789
株式会社伊藤園(社長:本庄大介 本社:東京都渋谷区)と慶應義塾大学(塾長:伊藤公平 所在地:東京都港区)、慶應義塾先端科学技術研究センター(所長:津田裕之 所在地:神奈川県横浜市)、ピーライフ・ジャパン・インク株式会社(社長:冨山績 本社:東京都世田谷区)、SI樹脂産業株式会社(社長:坂下信行 本社:静岡県牧之原市)の研究チームは、プラスチックに生分解性を付与する添加剤「P-Life」(用語1)を添加したポリプロピレン(以下PP(用語2))の分解菌を取得することに成功しました。この成果は、難分解性ポリオレフィン系プラスチック(用語3)の微生物による分解処理を実現する上で重要な一歩で、これらの分解菌は、ポリオレフィン系プラスチックから生成したマイクロプラスチックの分解・除去にも有効だと期待できます。
本成果は、2024年11月28日の日本分子生物学会で発表します。
主要研究者:株式会社伊藤園 内山修二、慶應義塾大学理工学部 生命情報学科教授の宮本憲二・二木彩香、慶應義塾先端科学技術研究センター研究員 黄穎、ピーライフ・ジャパン・インク株式会社 冨山績、SI樹脂産業株式会社 安倍義人
慶應義塾大学による本件の詳細リリースはこちら:https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2024/11/25/28-163357/
[画像1]https://digitalpr.jp/table_img/2571/99789/99789_web_1.png
近年、環境へのプラスチックの流出と蓄積が大きな社会問題となっています。中でも、PPやPEなどのポリオレフィン系プラスチックは難分解性であり、特にPPは自然界での微生物分解が非常に困難です。この様な状況の中、ピーライフ・ジャパン・インク株式会社により、ポリオレフィン系プラスチックに分解性を付与する画期的な添加剤「P-Life」が2003年に開発されました。
本研究チームは、上述の社会課題への対応のため、2019年よりP-Lifeを配合した「P-Life添加PPストロー」の研究を開始して生分解度測定を行ってきましたが(※2)、これまでの手法では分解菌の取得(単離)には至りませんでした。しかし、分離条件を工夫することで、2022年度に「共生アップサイクル社会」共創拠点の一環として「地球に還るストロープロジェクト」(※3)を実施した鎌倉市立西鎌倉小学校の土壌から分解菌の取得(単離)にはじめて成功し、また高い分解能があることを明らかとしました。
[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2571/99789/700_212_202411251150266743e5f240a73.jpg
本成果により見いだされた分解菌とP-Lifeを組み合わせることで、ポリオレフィン系素材を使用した製品などの生分解効率の大幅な向上が期待できます。したがってこれらの分解菌は、これまで困難とされていたPPの生分解を可能とし、難分解性プラスチック問題の解決に向けて重要な貢献を果たすことが期待されます。
今後本研究チームは、ポリオレフィン系素材を使用した様々な製品(キャップ、ボトル、ラベルなど)やポリオレフィン系以外の素材についても分解菌とP-Lifeによる効果を検証し、難分解性プラスチック問題の解決に向けた取組みを推進してまいります。
(※1)P-Lifeを配合したPPの分解菌を、P-Life添加PPストローに作用させたところ明確な分解痕を確認。また、これらの分解菌はP-Life含有PEも分解することが分かった。
(※2)JIS K6955法“プラスチックの土壌中での二酸化炭量測定による好気的究極生分解度の求め方”に基づき代謝分解を検証
(※3)慶應義塾大学が代表機関となり、参画企業と参画大学、鎌倉市の共創による国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)地域共創分野育成型デジタル駆動超資源循環参加型社会共創拠点」のプログラムのことです。当プログラムは、地域大学等を中心とし、地方自治体、企業等とのパートナーシップによる、地域の社会課題解決や地域経済の発展のための自立的・持続的な地域産学官共創拠点の形成を目的としたものです。
-学会発表情報-
第47回日本分子生物学会、11月28日、福岡国際会議場 マリンメッセ福岡
演題:P-Life含有ポリプロピレンの微生物分解メカニズムの解明
演者:二木 彩香、黄 穎、冨山 績、安倍 義人、内山 修二、宮本 憲二
-研究費-
本研究は、JST共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)JPMJPF2111 の支援により行われました。
-用語の説明-
(用語1)P-Life
微生物分解が困難とされる難分解性プラスチックを、微生物分解へと導く画期的な添加剤です。難分解性プラスチックは、P-Lifeにより官能基を持つ低分子化合物へと変化し、微生物により分解されやすくなります。さらにP-Lifeは, 植物油から製造されており、安全性の高いものです。また、P-Lifeは、PPの物性や加工性に影響を与えません
(用語2)ポリプロピレン(PP)
水素と炭素から構成される合成樹脂で、日常で最も目にするプラスチック素材の一つです。ポリエチレン(PE)と比べて硬く、耐熱温度も高い点が特徴です。
(用語3)ポリオレフィン系プラスチック
単純なオレフィンをモノマーとして合成された高分子化合物の総称です。代表的なものとして、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)があります。一般的に、微生物による生分解は困難で(自然界に存在する微生物の働きで最終的にCO2と水に完全に分解することが困難な性質)、環境中に廃棄されたプラスチックの多くは蓄積されてしまいます。
プレスリリース詳細へ https://digitalpr.jp/r/99789
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