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補助金予算 増額へ 住宅耐震改修の申請急増で和歌山県田辺市

 住宅耐震改修補助金への申請が相次いでいることを受け、和歌山県田辺市は21日、補助金予算を7500万円(50件分)増額する方針を明らかにした。能登半島地震を踏まえ、本年度から補助金上限を150万円に引き上げるなど支援を強化したところ、申し込みが殺到。いったん募集を停止せざるを得ない状況となっていた。11月27日開会の12月市議会に補正予算案を提出する。

 補助金の対象は、2000年5月以前の基準で建てられた住宅。耐震診断(無料)の上、耐震設計費と改修工事費を補助する。04年度に補助制度を開始し、昨年度は24件の利用があった。

 そんな中、今年1月に能登半島地震が発生し、多くの家屋が倒壊。それ以降、田辺市でも住宅の耐震化に関する問い合わせが急増した。

 そこで市は本年度から、耐震改修の補助金上限を引き上げた。昨年度までは国や県の補助金と合わせて最大116万6千円を補助していたが、市の負担分を増やして上限を150万円まで上げ、50件分(現地建て替え含む)を本年度当初予算に計上していた。

 市によると、年度当初から申請が相次ぎ、6月半ばの時点で当初予算枠に到達。それ以降は募集を一時停止せざるを得なかった。しかし、その後も相談は続き、現在は20件ほど申請を待ってもらっている状態だという。

 市は国費や県費の追加要望をしていたが、今回、追加配分を受けられるめどが立ったことから、補正予算案に計上することを決めた。真砂充敏市長は「市民の耐震化への取り組みを、精いっぱい後押ししたい」と話す。

 市建築課の担当者も「予算案が可決されれば、できるだけ早く受け付けを再開したい。耐震改修や診断を希望する場合は、まずは相談してほしい」と呼びかけている。

 無料の耐震診断についても市民からの申し込みが増えており、市は6月市議会で予算を追加して対応した。予算枠250件分のうち、現在までに224件の申請があるという。

 市の住宅耐震化率は73%で、県の83%(いずれも2020年度推計)を下回っている。

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