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浅野忠信主演、映画『レイブンズ』初日決定 昭和の名曲が流れる劇中の楽曲リスト

「ヘイ・チャンス」が流れる新婚ラブラブシーン=映画『レイブンズ』(2025年3月28日公開) (C) Vestapol, Ark Entertainment, Minded Factory, Katsize Films, The Y House Films
「ヘイ・チャンス」が流れる新婚ラブラブシーン=映画『レイブンズ』(2025年3月28日公開) (C) Vestapol, Ark Entertainment, Minded Factory, Katsize Films, The Y House Films
 俳優の浅野忠信主演で、伝説の写真家・深瀬昌久の78年にわたる波瀾万丈の人生の実話に着想を得た映画『レイブンズ』の公開日が、来年(2025年)3月28日に決定。東京・TOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館、ユーロスペースほかで全国公開される。あわせて、劇中で流れるシティポップ、グループサウンズ(GS)、歌謡曲、フォークなど、マーク・ギル監督が選んだ楽曲リストが公開された。

【画像】楽曲が使用されている場面の写真(一部)

 伝説の天才写真家・深瀬昌久は、1974年に森山大道らとニューヨークMoMA“New Japanese Photography”展で作品を発表し、絶賛を浴びた。妻・洋子やカラスを被写体にした作品で一躍時代の寵児となるも、たびたび酒に溺れ、92年に転落事故で脳障害を負い、20年の闘病の末、2012年に亡くなった。近年、欧米を中心に再評価が進み、23年に東京都写真美術館で大回顧展が開催され、“セルフィーの先駆者”でもあるその世界観は若い世代からも注目を浴びている。

 本作の監督、脚本はイギリス・マンチェスター出身、元ミュージシャンのマーク・ギル(『イングランド・イズ・マイン モリッシー、はじまりの物語』)。先日行われた「第37回東京国際映画祭」でのアジアワールドプレミアでは、劇中を流れる昭和の名曲の数々、その選曲センスの良さが話題になった。

 例えば、深瀬は、泥酔し、部屋はカオス状態に。そこへ妻・洋子(瀧内公美)がやって来て、ドロドロの修羅場に。このシーンでは、70年代シティポップの名盤『NEUTRAL TINTS』に収録されている名曲「幸せもどき」が流れる。小谷野ともこの都会的で洗練されたメロウな歌声、グルーヴ感あふれるバックの演奏と、修羅場とのギャップには恐怖すら感じさせる。

 エンド曲には、16年ぶりに14枚目のアルバム『Songsof Lost World』を今月25日にリリースするイギリスを代表するバンド ザ・キュアーの名曲「Pictures of You」を使用し、深瀬と妻洋子の破天荒なラブストーリーと歌詞が見事にシンクロ。心躍る極上のライブのような疾走感に、撮影フェルナンド・ルイスの映像美学と響きあい、キャスティング&音楽&映像&ファッション、すべてで独自のセンスを発揮している。

■『レイブンズ』楽曲リスト

「KOTO SONG」オープニングタイトル曲
演奏:デイブ・ブルーベック

「マイ・ダーリン東京」
作詞:水沢圭吾(中山大三郎) 作曲::中川博之 歌:城野ゆき

「舟にゆられて」
作詞:片桐和子 作曲:矢野誠 歌:梶芽衣子

「ウエディングドレス」
作詞:青島幸男 作曲:服部克久 歌:佐々木功

「ヘイ・チャンス」
作曲:寺内タケシ 演奏:寺内タケシ&バニーズ

「我が良き友よ」
作詞・作曲:吉田拓郎
歌:ケイコ・リー

「トンネル天国」
作詞:橋本じゅん 作曲:鈴木邦彦
歌:ザ・ダイナマイツ

「ユア・ミラー(I’LL BE YOUR MIRROR)」
作詞・作曲:ルー・リード
演奏・歌:ヴェルベット・アンダーグラウンド&ニコ

「毛皮のヴィーナス(VENUS IN FURS)」
作詞・作曲:ルー・リード
演奏・歌:ヴェルベットアンダーグラウンド&ニコ

「幸せもどき」
作詞:来生えつこ 作曲:小谷野ともこ 編曲:鈴木茂
歌:小谷野ともこ

「有楽町で逢いましょう」
作詞:佐伯たかお 作曲:吉田正
歌:フランク永井 

「Pictures of You」エンディング曲
作詞・作曲:サイモン・ギャラップ、 ポール・トンプソン, ボリス・ウイリアムズ, ロジャー・オドネル 、ロバート・スミス
歌:ザ・キュアー

■マーク・ギル監督のコメント

 17 歳のときに ザ・キュアーのアルバム 『Disintegration』 を買いました。「Pictures of You」は大好きな曲でした。私は妻のダリアと家でエンディングについて話していたとき、洋子が立ち去るところで終わり、そして深瀬に戻ることはわかっていました、この曲が頭の中に浮かんできました。 私はすぐに2階のオフィスに駆け込み、絵コンテで小さなアニメーションを作成しました。このラフなアニメーションを見たとき、これが映画を締めくくる強力な方法になるだろうと感じました。感情的にも歌詞的にも、深瀬と洋子の旅のすべてが表現されていると感じました。初めて編集で見たとき、本当に完璧でした。

 デイブ・ブルーベックの「KOTO SONG」とかフランク永井の「有楽町で逢いましょう」といったいくつかの楽曲は撮影を始める前に既に頭の中にありました。私の方針は物語を助けるための音楽を入れることです。例えばニューヨークのシーンで使った「I’LL BE YOUR MIRROR」とか。詩の面からしてもこの曲は完璧です。

 曲のほとんどは、時代の適切な雰囲気を捉えていると感じたかどうかに基づいて選択しました。歌詞を理解できなかったので、それが私を感情的に動かしたかどうかで決めました。「ウェディングドレス」や「幸せもどき」などの数曲はSpotifyで見つけました。新宿ゴールデン街ではロケハンだけでなく、音楽もリサーチしました。南海バーで流れるBGMや深瀬と洋子の結婚当時の楽曲に洋楽を使うことを避けたかった。

【画像】伝説の写真家・深瀬昌久と妻・洋子のポートレート
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