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吉本興業・岡本社長、仏・カンヌで基調講演 “国境を超えるコメディ”づくりの秘訣

「MIPCOM2024」の模様
「MIPCOM2024」の模様
 21日にフランス・カンヌで始まった世界最大級のテレビ・映像コンテンツの国際流通マーケット「MIPCOM2024」に吉本興業が2022年に続いてブース出展を行った。初日最初の基調講演では、Amazon MGM Studiosのインターナショナル・オリジナル責任者ジェームズ・ファレル氏と吉本興業ホールディングスの岡本昭彦社長らが登壇し、Amazonプライムビデオが『LOL:Last One Laughing』のタイトルで、世界25以上の国と地域で配信している『HITOSHI MATSUMOTO Presentsドキュメンタル』の制作のきっかけや成功の理由などについて語り合った。

【写真】“国境を超えるコメディ”づくりについてトーク

 「MIPCOM」は、カンヌ国際映画祭の会場と同じ「パレ・デ・フェスティバル」で開催されており、今年で40回目となる。バラエティ、ドラマ、ドキュメンタリーなどあらゆるジャンルで、世界中のコンテンツホルダーやバイヤーが商談に訪れ、近年はフォーマットセールスも行われている。

 初日最初の基調講演「Master Mind Keynote」では、「LOL」をテーマにディスカッションが行われた。冒頭、司会者より、2016年に日本で公開されたオリジナルシリーズ『ドキュメンタル』が「『LOL:Last One Laughing』となり、2019年4月にメキシコ版が配信されたのを皮切りに、イタリア、ドイツ、そしてフランスを含む20ヶ国以上で配信され、近年最も急速に広がったフォーマットかつ、プライムビデオで最も視聴されたタイトルとなったことが紹介された。

 岡本社長はあいさつで、2020年にジェームズ氏からLOLのフォーマットの買い取りの提案があったとし、「甘い誘惑に乗っかかりかけたが、社員に反対され、売却を取りやめた。その結果、MIPCOMにご招待いただき、この場に立てていること、Amazonの皆さま、LOLを支持してくださる皆さまに感謝します」とジョークを交えで感謝を伝えた。

 司会者から連携のきっかけを聞かれたジェームズ氏は「日本ではバラエティ番組が人気だと分かっていたので、コメディやバラエティのフォーマットを探していた。岡本社長をはじめ、吉本のメンバーに何度も会う中、吉本からドキュメンタルのアイデアが出てきた。これは絶対にヒットすると直感しました」と明かした。

 一方、岡本社長は「(Amazonプライムビデオが)日本で開始されるとき、我々のコンテンツが世界に届くのではないか、世界の人に楽しんでもらえるのではないか、と考え、企画を提案した」と説明。「松本人志という類い稀なる才能の持ち主が考えたアイデアが、世界に広まったのは大変喜ばしい」と話した。

 続いて司会者から「『コメディは国境を超えるのが難しい』という言葉があるが、LOLがほかのコメディと違う点は?」と問われると、「もともと世界の人に楽しんでもらうことをコンセプトに企画を作ってもらった。松本人志をはじめ、スタッフの力が発揮されたものと思っている。各国のプロデューサーの方々が各国の笑いの文化を踏まえながら、裁量を持ってシンプルに作ってもらったことが成功の理由と思う」と答えた。

 これに対し、ジェームズ氏は「日本の最初のシーズンを制作するのは非常に大変だったが、その自由なフォーマットの成功を信じていた。それは海外での展開にも繋がることで、各地でローカライズされて番組が成長していくというのは非常に珍しいこと。プライムビデオでは『THEゴールデンコンビ』の配信を控えているが、今後も吉本と一緒にやっていきたい」と語った。

 最後に岡本社長は「Amazonとの取り組みにより、次に続くタレント、クリエイターが世界にチャレンジできる環境が生まれた。これまで一緒にコンテンツを作ってきた日本の放送局の方々ともこのような取り組みができていけたら」と話した。

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