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〝移動できる家〟に注目  防災やビジネスでコンテナハウス、和歌山県田辺市

建築用コンテナで建てられたエースタイルの事務所(和歌山県田辺市新庄町で)
建築用コンテナで建てられたエースタイルの事務所(和歌山県田辺市新庄町で)
 将来、南海トラフ地震の発生が予想される和歌山県紀南地方で、堅固で耐久性があり、移動可能な建築用コンテナの注目度が高まっている。店舗やワーケーション用オフィス、別荘など活用法はさまざまで、災害時には仮設住宅への転用も考えられる。


 一般的にコンテナは輸送用のイメージが強いが、建築用は別物。建築基準法に対応している。柱・梁(はり)による構造設計が行われるため窓など開口部を自由に設計できる。内装を整えればデザイン性が高い鉄骨の家に変身する。一方、寸法は長さ約6メートル、幅2・4メートル、高さ2・8メートルなど輸送用と同じで、輸送システムに対応できる。

 こうしたコンテナの特性に注目した田辺市新庄町の建築会社「A―style(エースタイル)」は今年5月、自社事務所をコンテナで建てた。「rib(リブ)」のブランド名でコンテナ建築を広めようとしている。

 岡本章克社長(41)は「最近はコンパクトな平屋が人気だが、コンテナハウスはデザイン次第で使い勝手がよく、耐震性や断熱性にも優れた家にできる。飲食店や家の『離れ』としての要望もある。事務所は快適で、道路沿いだが遮音性も高い。自信を持って勧められる」と話す。リサイクル可能で、用途変更もしやすいという。

 研究しているのは防災での活用。「普段は別荘やゲストハウスなどに活用し、大規模災害時には避難所や仮設住宅として利用するなど可能性はある。まだまだ、試行錯誤している段階。活用アイデアがあればぜひ一緒に取り組みたい」と呼びかけている。

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