海洋酸性化が海の生物に影響
和歌山県串本町潮岬の南紀熊野ジオパークセンターで4日、琉球大学理学部の栗原晴子教授による講演があった。海洋酸性化や温暖化による海洋生物への影響について、研究成果を交えながら解説。一人一人の環境に対する意識の向上を求めた。
講演は南紀熊野ジオパークセンターが主催。町内外から約40人が出席した。
海では温暖化で海水温が上昇し、サンゴの白化が進んでいる。栗原教授によると、その場所の夏の平均水温よりも1度高い状態が4週間続くと白化が始まるという。沖縄県では今年、白化が全面的に進み、これまでにない異常な状態になった。サンゴの白化によって、サンゴを利用する魚が減少していること、日本周辺ではサンゴの北上が年間14キロのペースで進んでいるという調査結果も示した。
温暖化と同時に、人間の活動によって排出された二酸化炭素(CO2)が海に溶け込み、水素イオン指数(pH)が下がる「海洋酸性化」も進んでいるという。大気中のCO2濃度は、工業化以前(1750年)の平均値と比べ、約50%増加しており、大気と同じように海水中のCO2濃度は上がり、pHは下がり続けており、生物への影響もある。
海洋酸性化は、サンゴの骨格をつくる炭酸カルシウムを溶かす性質を持つ。サンゴの成長速度が低下するだけでなく、沖縄県などサンゴ礁のある地域では地形ができにくくなり、台風の影響を受けるといった問題も予想されている。貝やウニ、甲殻類といった水産物にも影響することを研究データで示した。
栗原さんは「温暖化や酸性化が起きると生き物はどうなるか考えないといけない。社会への影響もあり、人ごとではない。それぞれが何か行動しないと解決しない」と語った。
講演は南紀熊野ジオパークセンターが主催。町内外から約40人が出席した。
海では温暖化で海水温が上昇し、サンゴの白化が進んでいる。栗原教授によると、その場所の夏の平均水温よりも1度高い状態が4週間続くと白化が始まるという。沖縄県では今年、白化が全面的に進み、これまでにない異常な状態になった。サンゴの白化によって、サンゴを利用する魚が減少していること、日本周辺ではサンゴの北上が年間14キロのペースで進んでいるという調査結果も示した。
温暖化と同時に、人間の活動によって排出された二酸化炭素(CO2)が海に溶け込み、水素イオン指数(pH)が下がる「海洋酸性化」も進んでいるという。大気中のCO2濃度は、工業化以前(1750年)の平均値と比べ、約50%増加しており、大気と同じように海水中のCO2濃度は上がり、pHは下がり続けており、生物への影響もある。
海洋酸性化は、サンゴの骨格をつくる炭酸カルシウムを溶かす性質を持つ。サンゴの成長速度が低下するだけでなく、沖縄県などサンゴ礁のある地域では地形ができにくくなり、台風の影響を受けるといった問題も予想されている。貝やウニ、甲殻類といった水産物にも影響することを研究データで示した。
栗原さんは「温暖化や酸性化が起きると生き物はどうなるか考えないといけない。社会への影響もあり、人ごとではない。それぞれが何か行動しないと解決しない」と語った。