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1カ月延長も過去最少 盆休みの閉鎖響く、和歌山県白良浜の海水浴客

閉鎖措置が解除された後の白良浜海水浴場(8月16日、和歌山県白浜町で)
閉鎖措置が解除された後の白良浜海水浴場(8月16日、和歌山県白浜町で)
 和歌山県白浜町の白良浜海水浴場の今季の利用客は、開設期間を1カ月延長したものの過去最少の14万6764人(速報値)だった。南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)の発表を受け、客が最も多い8月の盆休みに閉鎖したことが影響し、9月末まで開設を延長したが、コロナ禍で落ち込んだ2020年(5~8月)の15万2千人を下回った。

 町によると、今季の海水浴場は5月3日に開設。8月末までの4カ月間の客数は12万6888人(速報値)で、昨年の同期間と比べて7万979人減少。客の数が確認できる1987年以降で、最も少なかった。夏の白良浜の海水浴客は2019年まで40万人を超えていたが、20年以降はコロナ禍で落ち込んだ。今年は開設期間を1カ月延長したが、15万人に満たなかった。

 猛暑による外出控えも影響したとみられる。9月の客は1万9876人。

 町観光課は「9月の遊泳者数は6月並みだった。ビーチが広く使えるので、ボールなどで砂浜で遊んでいる人が目立った。来季の期間については今後検討していく」と話している。

■埋蔵金探し8千人


 南紀白浜観光協会が9月28、29日に白良浜海水浴場で開催したイベント「熊野水軍埋蔵金探し」の参加者は、計約8千人だった。

 砂の中に埋められた10万円の金貨やテレビなどの引換券が入ったプラスチック容器を掘り出す人気のイベント。巨大地震注意で経済的打撃を受けた町を元気にしようと急きょ開催を決めた。コロナ禍などで中止していたため、5年ぶりだった。

 観光協会によると、参加者の内訳は、28日が約3千人、29日が約5千人。このイベントの参加者数は海水浴客の数に含まれていない。

■扇ケ浜も過去最少

 田辺市は、田辺扇ケ浜海水浴場の今夏の来場者数が3万351人だったと発表した。昨年より約2万4千人減少し、2005年のオープン以来、過去最少だった。

 扇ケ浜海水浴場は市内唯一の海水浴場で、子どもを連れて遊べる「ファミリービーチ」として売り出している。昨年の来場者数は5万4644人、おととしは7万762人だった。

 今夏は6月30日~8月31日に開設。しかし、巨大地震注意が発表されたことを受け、8月9日から15日まで閉鎖した。その後も台風10号が接近し、来場者数が伸び悩んだ。

 市観光振興課の担当者は「海水浴客は大幅に減ったが、ビーチサッカーやビーチバレーなどのイベント時には多くの来場があった。海水浴だけではなく、利用者のニーズに沿った過ごし方を提供できるよう、さまざまな取り組みを進めていきたい」と話している。

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