桂文枝、生成AIと共作で“創作落語” 手応え十分「落語というのは“心”です」【コメント全文】
落語家の桂文枝(81)が2日、都内で行われたGoogle主催のイベントに出席。生成AI「Gemini(ジェミニ)」と共に作り上げた創作落語を披露した。
【写真】時代は進む!生成AIと共作で創作落語を披露した桂文枝
330本以上の創作落語を生み出し、上方落語界に「創作落語」という道を切り開いた文枝に、Geminiが弟子入り。本イベントで落語を披露するべく、今年の8月5日に初対面を果たした。
当初は「どんなことを話せば、人は笑うと思いますか?」(文枝)、「その人の性格、年齢、状況、文化的な背景などによって大きく異なります。周りの人を笑わせるために、自分自身も楽しみながら、ユーモアを磨いていきましょう」(Gemini)、「そんなことは前からわかってる!」(文枝)とユーモアあふれる対話をしていた“2人”だったが、打ち合わせが始まると、監修・口演をする文枝と、台本を担当する「Gemini」とのやりとりは真剣そのもの。
文枝から「桂文Gemi(かつらぶんじぇみ)」と名付けられた「Gemini」がアイディアを投げれば、文枝がダメ出しをする……まさに「師匠と弟子」として対話を繰り返し、落語が作られていった。約1ヶ月半に及ぶ準備期間を経て完成。満を持して、今回のイベントで披露する運びとなった。
今回、落語を披露する場所は寄席ではなく、この日のイベントのために特設されたステージ。その上に高台が設置され、高座が設けられた。階段を使って高座に上がった文枝は「高座に上がるのに手すりがあるなんて」、「高座というのは『高い座』と書いて高座と書くのですが、だいたい檜舞台のうえに作るものなんです。こんなに高いとは!」と言い、来場者の笑いを誘った。
文Gemiには落語はもちろん、枕(まくら)の制作も依頼したという文枝。10個提案されたうちの1つの枕を紹介するが、師匠らしく「私ならもっと面白いことが考えられますけどね」とにやり。文枝の軽妙な語り口に会場が笑いに包まれた。
「リーダーシップ」と名付けられた創作落語は、スーパーの社長が「AI社長を作った」と専務に持ちかけるところからはじまる噺で、文枝が監修した文Gemiの台本に、文枝自身が命を吹き込み、さらなる上質な落語へと進化。見事成功を収めた。
終演後、Googleのスンダー・ピチャイCEOと文枝の対談が実現。落語の歴史や落語の楽しみ方について話すなか、ピチャイCEOから「Gemini」の改善点を問われる一幕もあった。文枝が「人を笑わせることを文Gemiに教えていったら、きっと面白いものができると思うので、ご安心ください」と回答。ピチャイCEOは「AIはやはり師匠を超えられないと思います」と賛辞を贈ると、文枝は笑顔で「共に超えていきましょう」と返していた。
■桂文枝コメント
「落語というのは庶民の暮らしを噺にしますし、将棋や囲碁みたいにかたちがあるものではなく、“心”ですからね。AIにどこまで伝わるものかと思っていましたが、1回目としては良かったんちゃうかなと思いますよ。今後も文Gemiに落語を教えていけば、もっとやれるんじゃないかなと思います」
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当初は「どんなことを話せば、人は笑うと思いますか?」(文枝)、「その人の性格、年齢、状況、文化的な背景などによって大きく異なります。周りの人を笑わせるために、自分自身も楽しみながら、ユーモアを磨いていきましょう」(Gemini)、「そんなことは前からわかってる!」(文枝)とユーモアあふれる対話をしていた“2人”だったが、打ち合わせが始まると、監修・口演をする文枝と、台本を担当する「Gemini」とのやりとりは真剣そのもの。
文枝から「桂文Gemi(かつらぶんじぇみ)」と名付けられた「Gemini」がアイディアを投げれば、文枝がダメ出しをする……まさに「師匠と弟子」として対話を繰り返し、落語が作られていった。約1ヶ月半に及ぶ準備期間を経て完成。満を持して、今回のイベントで披露する運びとなった。
今回、落語を披露する場所は寄席ではなく、この日のイベントのために特設されたステージ。その上に高台が設置され、高座が設けられた。階段を使って高座に上がった文枝は「高座に上がるのに手すりがあるなんて」、「高座というのは『高い座』と書いて高座と書くのですが、だいたい檜舞台のうえに作るものなんです。こんなに高いとは!」と言い、来場者の笑いを誘った。
文Gemiには落語はもちろん、枕(まくら)の制作も依頼したという文枝。10個提案されたうちの1つの枕を紹介するが、師匠らしく「私ならもっと面白いことが考えられますけどね」とにやり。文枝の軽妙な語り口に会場が笑いに包まれた。
「リーダーシップ」と名付けられた創作落語は、スーパーの社長が「AI社長を作った」と専務に持ちかけるところからはじまる噺で、文枝が監修した文Gemiの台本に、文枝自身が命を吹き込み、さらなる上質な落語へと進化。見事成功を収めた。
終演後、Googleのスンダー・ピチャイCEOと文枝の対談が実現。落語の歴史や落語の楽しみ方について話すなか、ピチャイCEOから「Gemini」の改善点を問われる一幕もあった。文枝が「人を笑わせることを文Gemiに教えていったら、きっと面白いものができると思うので、ご安心ください」と回答。ピチャイCEOは「AIはやはり師匠を超えられないと思います」と賛辞を贈ると、文枝は笑顔で「共に超えていきましょう」と返していた。
■桂文枝コメント
「落語というのは庶民の暮らしを噺にしますし、将棋や囲碁みたいにかたちがあるものではなく、“心”ですからね。AIにどこまで伝わるものかと思っていましたが、1回目としては良かったんちゃうかなと思いますよ。今後も文Gemiに落語を教えていけば、もっとやれるんじゃないかなと思います」
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