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安全優先も「死活問題」 巨大地震注意受け、和歌山県串本の観光

巨大地震注意が発表され、海水浴客の姿がない橋杭海水浴場(11日、和歌山県串本町くじの川で)
巨大地震注意が発表され、海水浴客の姿がない橋杭海水浴場(11日、和歌山県串本町くじの川で)
 南海トラフ地震の臨時情報「巨大地震注意」が8日に発表されて以降、夏の行楽シーズンを迎えていた和歌山県串本町でも観光に影響が出ている。観光関係者は「安全の最優先が最も大事だが、1年に1度の書き入れ時なので業者は死活問題」と嘆く。


 町は臨時情報の発表を受け、橋杭海水浴場(くじの川)と田原海水浴場を9~16日の間、臨時閉鎖にしている。例年であれば海水浴客でにぎわうが、連休中にもかかわらず人の姿はほとんどなかった。町は大島プール(大島)や西向小学校プール(西向)の一般開放も取りやめた。

 本州最南端の「潮岬望楼の芝キャンプ場」(潮岬)は、広い芝生にポツリポツリとテントが設置されていた。「潮岬望楼の芝管理運営委員会」によると、開設期間中(10~18日)に400~500人の来場を見込んでいたが、11日までに45人と少ない状況。普段であれば利用客で駐車場がいっぱいになるが、車も少なかったという。

 串本海中公園センターは、半潜水型海中観光船「ステラマリス」のコースを、沖に出ない「ショートコース」に変更して運航。乗客が多いため、増便している。来館者は例年の3割減となっているが、営業の問い合わせもあるという。

 同センターは「例年に比べて落ち着いている状況。7月30日に津波避難訓練をしたばかりで意識は高い。国や町の指示に基づいて安全最優先で営業していきたい」と話した。

 南紀串本観光協会によると、宿泊は予約のキャンセルが出ている。町内のダイビングやシュノーケルは通常通り営業しているがキャンセルも出ている。協会では川のカヌーなどのアクティビティーを提供しており、多くの人が利用している。

 同協会は「何事もなく、一日も早く通常通りに戻ってほしい」と語った。

 一方で、古座川では川遊びをする人が多く見られた。古座川町観光協会によると、例年よりも人が多いといい「海水浴に来られない人が訪れているのでは」とみている。

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