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外来カミキリの発生全県調査へ 和歌山県、モモや梅の木を食害

クビアカツヤカミキリの成虫(大阪市立自然史博物館提供)
クビアカツヤカミキリの成虫(大阪市立自然史博物館提供)
 梅やサクラなどの木を食害して枯死させる特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」の発生状況について、和歌山県は25日、県内全域で園地や公園、森林を調査すると発表した。11月にかつらぎ町で県内初の被害が確認されたため。調査は一部地域で始まり、春ごろまでに終えたいとしている。県は「今後県内で増える危険性は十分ある。危機感を持って対策していく」と話した。

 県の岩本和也農業生産局長らが県庁で記者会見した。この虫は中国、朝鮮半島、台湾などに分布。成虫は光沢のある黒色、首の赤色が特徴で、産卵数が在来のカミキリムシより非常に多く、最多で千個以上産卵するという。幼虫が梅やスモモ、モモなどバラ科の樹木を食害。日本では2012年に愛知県で確認され、今年までに大阪府や三重県、徳島県、和歌山県など11都府県で被害が発生している。

 繁殖力が高く、例えば栃木県ではモモの約90園を全県調査したところ、被害園地の割合は17年には37%だったのが、18年は76%と、1年で急速に被害が拡大した事例もあるという。

 県内では17年7月にかつらぎ町で成虫1匹、今年11月に同町のモモの木2本に、幼虫が排出した木くずやふん「フラス」を確認。その後、12月4日までに半径1キロを調査し、モモとスモモ計9本でもフラスを見つけた。中には枯死した木もあったという。

 岩本局長は「産卵数が桁違いに多く、危機感を持って対応していく。県は梅やスモモ、モモの大産地なので、生産者も心配されている。有効な対策も進んでいない段階だが、関係機関や他県と連携して対応していきたい」と話した。

 これまでの害虫より繁殖力が高く、防除も難しいため、早期発見による被害拡散防止が重要という。成虫やフラスなどが確認された場合は、近くの振興局に連絡するよう呼び掛けている。

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