和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

【動画】夕日と朝日を同時鑑賞 スペイン・フィステーラ市と和歌山県那智勝浦町

 和歌山県那智勝浦町は24日早朝、世界遺産に登録された巡礼道のつながりから交流協定を結んだスペイン・フィステーラ市と共催で、協定締結後初の記念イベントを開いた。遠く離れた場所の夕日と朝日をオンラインで同時に観賞しながら、両市町や巡礼道のつながりをアピールした。

 年2回、フィステーラ市での日の入りと那智勝浦町での日の出が同時になる日があるといい、そのタイミングに合わせて両市町が企画した。

 フィステーラはスペイン語で「地の果て」を意味し、市南端にあるフィステーラ岬は「サンティアゴ巡礼道」の最終的な目的地になっている。一方、那智勝浦町も平安時代の熊野詣でにおける「熊野古道」の最終目的地とされたという共通点がある。昨年、両市町の首長が交流協定書に署名し、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」登録20周年に合わせて今年1月に発効した。

 今回の記念イベントは「蘇(よみがえ)る太陽~サンティアゴ巡礼道と熊野古道~」と題して開いた。那智勝浦町では、同町宇久井にある休暇村南紀勝浦に日の出前から町民ら約50人が集まった。

 両市町の会場をオンラインで結び、フィステーラ岬の西に広がる大西洋に夕日が沈んでいく様子がモニターに映し出される中、那智勝浦町では午前5時過ぎ、太平洋から太陽が姿を現し、参加者から歓声が上がった。

 参加した宇久井中学校1年の南和奏さん(12)は「すごく遠いのにつながりを感じるのはすごいし、うれしい。いつかサンティアゴ巡礼道を歩いてフィステーラ市を訪れてみたい」と笑顔を見せた。

 堀順一郎町長は「今日は第一歩のイベントで、同じ太陽を朝日と夕日としてそれぞれの地域で見られるというのはすごいつながり。これをきっかけにいろんな形で交流を深めていきたい」と話した。
フィステーラ市とオンラインで結ばれた那智勝浦町の会場で、夕日と朝日を見る参加者(24日午前5時過ぎ、和歌山県那智勝浦町宇久井で)
フィステーラ市とオンラインで結ばれた那智勝浦町の会場で、夕日と朝日を見る参加者(24日午前5時過ぎ、和歌山県那智勝浦町宇久井で)
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