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河内祭に向け、御船運ぶ

倉庫から御舟を運ぶ関係者(和歌山県串本町古座で)
倉庫から御舟を運ぶ関係者(和歌山県串本町古座で)
河内祭の夕べを告知するポスター
河内祭の夕べを告知するポスター
 27、28日に営まれる河内祭に向け、勇進会(坂井信夫会長)など関係者は20日、和歌山県串本町古座にある倉庫から、祭りで使用する御舟(みふね)や当舟を運び出した。

 河内祭は「御舟祭」とも呼ばれ、華やかに飾り付けをした御舟が祭りの主役。川を渡御する御舟の前を横切ることは厳禁で、橋の下をくぐる時は橋が一時通行止めになるなど、神聖な存在として扱われている。御舟行事は国の重要無形民俗文化財に指定されている。

 御舟は27日の宵宮で「河内大明神」の神額を載せて古座川河口から約3キロ上流の河内島まで渡御する。日没後は島をゆっくりと回る「夜籠(よごも)り神事」がある。23日の本祭では「大前ノ儀」や「花回り」で島を回る。

 当舟は本祭の朝、奉告祭を終えたショウロウ(地元の子どもが担う生き神様)や神職、古座区長らを乗せて河内島へ向かう。

 運び出しには勇進会の会員や地元住民ら15人が参加した。重機で船首を持ち上げたり、底に丸太を並べて動かしたりして倉庫から出した。その後、台車に載せて、御舟2隻と当舟1隻を倉庫近くにある動鳴気漁港の船揚場に移動させた。

 御舟や当舟に乗る人は高齢化などの影響で年々減少し、運営が難しくなっている。坂井会長(46)は「人数は少ないが、何とかやっていくしかない」と話した。

 御舟は26日に杉芝が飾り付けられる。27日にはまん幕やちょうちんを飾って本番を迎える予定。

■28日、河内祭の夕べ
串本 夜店や花火大会など

 古座川下流域である河内祭に合わせ、「熊野水軍古座河内祭の夕べ」が28日午後5時半から、串本町古座の古座漁港広場で開かれる。

 実行委員会(上野一夫会長)主催、串本町が共催。河内祭を盛り上げようと、毎年本祭の夕方にイベントを開いている。

 今年は、串本古座高校(串本町串本)吹奏楽部の演奏やストリートダンス、フラダンスの披露のほか、夜店やビアガーデンを予定している。

 午後8時からは花火もある。華やかな御舟との共演や道中笛も聞こえ、イベントの柱となっている。

 実行委はイベントの開催に向けてポスターを作り、町内各地で掲示している。河内祭の宵宮や本祭の主な神事の時間なども書いている。

 また、河内祭について解説したパンフレットも作り、南紀串本観光協会などで配布している。

 河内祭の宵宮は27日、本祭は28日にある。主な神事と時間は次の通り。()内は場所。

 【宵宮】正午、入舟式(古座川河口)▽午後0時半、御舟渡御(同)▽午後4時、櫂伝馬合戦(同)▽午後7時半、夜籠り神事(河内島)

 【本祭】午前7時半、当舟渡御(古座川河口)▽午前10時、御祭礼(河内島)▽正午、御舟花回り(同)▽午後1時、櫂伝馬合戦(同)▽午後8時、御舟川回り(古座川河口)

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