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ロケット、渋滞対策に効果あり 見学場までパーク&ライド・鉄道利用も多く、和歌山

混雑するJR串本駅のホーム(9日午前9時10分、和歌山県串本町串本で)
混雑するJR串本駅のホーム(9日午前9時10分、和歌山県串本町串本で)
 和歌山県串本町で9日に予定していたロケットの打ち上げは、発射予定時刻直前に延期となったが、光明もあった。予想通り多くの見物客が集まった中、心配されていた交通渋滞が発生しなかった。駐車場に車を止めてバスで移動する「パーク&ライド」や鉄道利用が奏功。関係者も「対策に一定の効果が現れた」と話している。


 国内の発射場は鹿児島県と北海道にあり、注目度の高いロケットの打ち上げ時には大渋滞が起こっていた。串本町は鉄道がJRだけで、元々車で訪れる人が多いため、住民生活への悪影響を心配する声もあった。

 そこで県や地元自治体でつくる団体は、2カ所に設けた有料見学場のチケット購入者向けに見学場から10キロ離れた場所に各600台の予約制駐車場を開設。バスで見学場と駐車場の間を送迎した。

 見学場周辺の国道42号では駐停車を制限し、路肩の広いエリアはバリケードを置いて場所取りを防いでいた。

 国土交通省は国道42号や高速道路の電光掲示板をはじめ、ホームページやSNSでも「渋滞注意」を呼びかけていた。

 9日午前、串本町の国道42号は目立った混雑はなかった。早朝から国道沿いで交通誘導に当たっていた町職員によると「車が20台くらい連なることもあったが、渋滞はなくスムーズに流れた」、また別の職員も「(午前11時半ごろの)帰りの時間帯に少し車が増えたくらい。打ち上げの時間帯は車がなく静かだった」と話した。

 一方、渋滞を避け、鉄道を利用する人は多かった。JR西日本は2カ所の見学場の最寄り駅となる紀伊田原駅、紀伊浦神駅に停車する臨時列車9本(新宮方面行き4本、田辺方面行き5本)の運行で対応した。

 串本駅午前9時25分発新宮行きの普通列車は、2両編成が都市部の通勤電車のように隙間もないほど満員。続く9時40分発の2両編成の臨時列車も混み合った。混雑が続いたため、JR西ではさらに新宮方面行きの臨時列車を1本追加して対応した。

 串本町ロケット推進室は「関係機関の協力でスムーズな見学の受け入れができたことは大きな成果」と手応えを感じている。

 トラブルもあった。串本町の樫野埼灯台駐車場はバリケードを設置して閉鎖していたが、夜間のうちに撤去され、勝手に駐車されていたという。

 ロケット推進室は「モラルの問題。こうした課題にどう対応するか。次回の打ち上げまでに準備したい」と話している。

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