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和歌山県、2千軒超が停電続く 台風7号、けが人も

海の家周辺で砂の撤去作業をする関係者ら(16日、和歌山県田辺市の扇ケ浜海水浴場で)
海の家周辺で砂の撤去作業をする関係者ら(16日、和歌山県田辺市の扇ケ浜海水浴場で)
 台風7号は15日に和歌山県串本町の潮岬付近に上陸し、けが人が出たほか、停電が発生し、交通機関にも影響を与えた。16日朝は片付けに追われる人々の姿も見られた。16日は日本海を北上したが、気象庁は、土砂災害や河川の増水、突風などに引き続き警戒が必要だとして、注意を呼びかけた。

 16日朝、田辺市の扇ケ浜海水浴場では、市職員や「海の家」の関係者らが片付け作業に追われた。流木などの漂着物はほとんど見られなかったが、海の家周辺に砂がたまっており、関係者はブラシで掃いたり、高圧洗浄機で洗い流したりしていた。

■温泉街にも影響

 近畿有数の観光地・南紀白浜(白浜町)にも大きな影響があった。15日は白良浜など町内の4海水浴場が遊泳禁止となったほか、アドベンチャーワールドや白浜エネルギーランド、三段壁洞窟など複数の観光施設が臨時休業した。

 温泉街のある宿泊施設では、14、15日に入っていた予約の半分ほどがキャンセルになった。もともとは、2日間ともほぼ満室の状態だったという。「なんでこんな時に、という思いはあるが、どうすることもできない」と嘆いた。

■色川で562ミリ
降り始めからの降水量

 和歌山地方気象台によると、最大瞬間風速は潮岬で33・5メートル、新宮で31・5メートルなどを観測。13日の降り始めから15日午後11時までの降水量は那智勝浦町色川で562ミリと8月の月降水量の平年値を超えた。そのほか田辺市本宮343・5ミリ、古座川町西川262ミリ、護摩壇山(田辺市)261ミリ、潮岬247ミリなどだった。

 各河川も増水し、15日、新宮市の熊野川、那智勝浦町の太田川では一時、氾濫危険情報が出た。

 県によると、けが人は5人。那智勝浦町では倒木の撤去作業をしていた男性(60)が転倒、串本町では女性(75)が風にあおられて転倒し、骨折した。

 15日午前7時の集計で、田辺市で79世帯103人、新宮市で81世帯106人、那智勝浦町で66世帯91人が避難するなどした。新宮市や那智勝浦町、串本町などには警戒レベル4の避難指示が発令されていた。

■停電1万軒超

 県によると、15日午前8時過ぎの時点で県内では約1万4490軒で停電が発生した。関西電力送配電のホームページによると、16日正午過ぎの時点では串本、那智勝浦、古座川、北山の各町村で約2500軒余りが停電している。

■通行止めや列車運休

 串本町の国道42号が越波や規制基準雨量の超過で一時、全面通行止めとなったほか、北山村の国道169号が崩土や倒木で一時、全面通行止めになった。

 JR西日本は15日、京都・新大阪駅―南紀方面間で、特急列車くろしお号の運転を取りやめた。特急列車以外も、JR紀勢線、新宮―和歌山駅間で始発から終日運転を取りやめた。

 16日も運転再開に向けた車両準備などに時間がかかることから、新宮―白浜駅間で特急列車3本の運転を取りやめるなど影響が続いた。

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