和歌山県田辺市は、人づくりを核とした地方創生の取り組み事例をまとめた冊子「わたしたちの、たなべ」（Ａ５判、４８ページ）を５千部発行した。活動を多くの市民や団体と共有し、さらに広げるのが狙い。市内だけでなく、全国に発信する。


　市は２０２２年度の国の「ＳＤＧｓ未来都市」と「自治体ＳＤＧｓモデル事業」に選ばれた。ＳＤＧｓは環境面が強調されがちだが、市が評価を受けたのは、人材育成や関係人口養成といった「人」に焦点を当てた取り組み。冊子はモデル事業の一環で作った。

　冊子では地域課題をビジネスの手法で解決する「たなべ未来創造塾」、そこから派生した神島高校の生徒らがまちづくりを考える「神島塾」、関係人口養成講座「たなことアカデミー」など人材育成の取り組みと、塾生の声を紹介している。

　冊子は東京の地下鉄の駅のほか、地域づくりをテーマとした雑誌を通して全国に配布している。市内の小中高校にも各５冊を置いている。

　希望者には市たなべ営業室や市内の公民館で配布する。問い合わせは市たなべ営業室（０７３９・３３・７７１４）へ。