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【動画】橋杭岩に天の川「架かる」 和歌山県串本町、未明の空に

 和歌山県串本町くじの川にある国の名勝・天然記念物「橋杭岩」の上に、横たわった天の川が現れる季節が訪れている。奇岩が並ぶ橋杭岩は、高野山を開いた今年誕生1250年という弘法大師・空海が造ったという伝説があり、この時季の天の川をその橋に見立てて撮影する写真愛好者もいる。

 橋杭岩は、陸地から沖へ約850メートルにわたって大小40余りの岩柱が直線状に並んだ景勝地。伝説では、弘法大師とあまのじゃくが、海を隔てて向かい合う紀伊大島まで、一晩で橋の架け比べをした。弘法大師は山から担いできた巨岩を海中に立てずらりと橋杭を並べていったが、途中であまのじゃくが邪魔をしたため工事を中止。未完成のまま橋杭の巨岩が今も残っているとされる。

 太陽系も含まれる天の川銀河はほぼ年中見ることはできるが、夏の星座として親しまれている「さそり座」近くの濃い部分が楽しめるのはこの時季から。好天に恵まれた25日と26日の未明は、午前3時すぎから東の低い空に天の川が横たわった姿で現れ始め、次第に立ち上がっていった。

 初めて天の川と橋杭岩の共演を撮影したという古座川町の男性(69)は「街明かりの影響で天の川自体なら古座川の方が鮮明に撮影できるが、南紀熊野ジオパークのジオサイトでもある国の名勝・天然記念物と一緒に撮れるのは魅力的。伝説では橋は完成しなかったが、天の川の橋を渡って大島に行けそう」と笑顔を見せた。

橋杭岩の上に現れた天の川(26日午前4時7分、和歌山県串本町くじの川で)=露光時間20秒
橋杭岩の上に現れた天の川(26日午前4時7分、和歌山県串本町くじの川で)=露光時間20秒
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