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新設コースで調理実習スタート 南部高の「食と農園科」

実習でかつお節や昆布を使ってだしを取る生徒(25日、和歌山県みなべ町芝で)
実習でかつお節や昆布を使ってだしを取る生徒(25日、和歌山県みなべ町芝で)
 和歌山県みなべ町芝、南部高校の食と農園科に本年度から設けられた「調理コース」で、講師を招いての調理実習が始まった。25日には生徒20人が、和食の基本であるだしの取り方やご飯の炊き方を学んだ。本年度中、1週間に1回ペースで計30回の実習を受け、知識や技術の習得を目指す。


 食と農園科の「食文化探求コース」が「調理コース」に改編された。農業の基礎や梅栽培実習、農家体験、食品マーケティングを学ぶのに加え、調理の仕方を実習で学ぶ。1年生で日本料理、2年生で西洋料理と中国料理、3年生でそれ以外の料理や地元の食材に重点を置いた実習をする。3年間の課程を修了すると調理師免許が取得できる。

 農業科に調理コースを設けたのは全国初。受験者が定員(20人)を超える人気で、合格した生徒20人中9人が男子。以前の「食文化探究コース」よりも男子の比率が増えた。

 講師を務めるのは田辺市朝日ケ丘で和食店「和づち」を営む湯川和洋さん(40)で、本年度2回目のこの日から本格的に実習指導を始めた。

 だしの取り方では、生徒がそれぞれ「和食のベースになる。しっかり覚えてください」などという湯川さんの説明を聞き、かつお節を使った一番だしと二番だし、かつお節と昆布の合わせだし、昆布だし、煮干しだしの5種類に挑戦した。見た目や味を比べて、ノートに記録し、市販のだしとも比べた。

 ご飯の炊き方ではとぎ方を中心に教わった。1人二つずつおにぎりを握った。

 白浜町堅田の芝嵜拓海君(15)は「和食の料理人になりたいと思って入学した。自宅で母に教わって料理をしていたが、専門的ではなかったので、これからが楽しみ。今日も楽しかった。将来は白浜で店を出したい」と話していた。

 湯川さんは「みんな熱心に取り組んでいた。今後、季節の食材も使って、さまざまな料理の仕方を教えていきたい。1年間で技術を高めるのはなかなか難しいとは思うが、頑張ってほしい」、担当教諭は「生徒には、プロを意識して学んでほしい。日本食であれば最終的におせち料理ができるくらいの腕を身に付けてもらいたい」と話していた。

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