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紀南のカツオ不漁 燃料代高騰で「二重苦」

水揚げされたカツオ(和歌山県すさみ町周参見で)
水揚げされたカツオ(和歌山県すさみ町周参見で)
3月11日の海況図。黒潮が蛇行し、紀伊半島沿岸部の海水温が低い(数字は水温)=和歌山県水産試験場提供
3月11日の海況図。黒潮が蛇行し、紀伊半島沿岸部の海水温が低い(数字は水温)=和歌山県水産試験場提供
 和歌山県紀南地方でカツオが不漁だ。紀南の主要3港(田辺、すさみ、串本)の水揚げは1、2月合わせて23・1トン。過去5年で2番目に少なく、3月に入ってからも低調が続いている。燃料代が高騰していることもあり、漁師は頭を悩ませている。

 県水産試験場(串本町)は、2017年ごろから続いている黒潮の大蛇行が不漁の原因とみている。年によって日本近海へのカツオの来遊量が異なる場合もあるため、断定はできないが、今年は黒潮由来の暖かい潮の流れ込みが弱く、水温も低いため漁獲量が少なくなっているという。暖かい潮が熊野灘沖に流れ込んだ昨年は、1、2月が137・3トンと比較的多かった。

 試験場の山根弘士主査研究員(37)は「海流の状況が変化し、カツオが来遊してくることを期待したい」と話している。

 18日午前現在、すさみ漁港(すさみ町周参見)で、カツオが最後に水揚げされたのは11日。この日水揚げされた魚類約1363・7キロのうち、ほとんどがビンナガマグロで、カツオは24・5キロしかなかった。

 地元漁師の石津武昭さん(80)は「燃料代が高く、カツオも取れないので、漁に出ない日もある。今後に期待したいが、黒潮が沖の方にあって条件が悪い」と嘆いていた。

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