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ネットで仲介の木造住宅完成へ 龍神村森林組合がサポート

フォレスタイル龍神を利用して建築中の木造住宅(和歌山県和歌山市内で)
フォレスタイル龍神を利用して建築中の木造住宅(和歌山県和歌山市内で)
フォレスタイル龍神のサイト
フォレスタイル龍神のサイト
 和歌山県田辺市龍神村東の龍神村森林組合(眞砂佳明組合長)が、2020年からインターネット上に専用サイトを設けて運営している木造住宅サポート事業「フォレスタイル龍神」を利用した初めての個人宅が、近く和歌山市内に完成する。組合の担当者は「今後もこの取り組みを盛り上げて、地域の活性化を目指していきたい」と話している。


 フォレスタイル龍神は、国産材で理想とする家を建てたい施主と建築士・工務店をつなぐ取り組み。両者の間に龍神村森林組合が事務局として入り、相談窓口となって家造りの手伝いをする。国産材の利用向上を目指して最初にフォレスタイルを始めた岐阜県白川村と龍神村森林組合が協定を結び、20年4月から運営を始めた。現在、県内外の建築士4人、工務店7店が登録している。

 個人が住宅を建てる場合は、国産材を使うと予算がどのくらい必要かや、工務店をどうやって決めればよいのかなど悩みは多い。フォレスタイル龍神では、事務局が施主をサポートして気に入った建築士や工務店を選んでもらえる他、ホームページの画面上で間取りを作成して大まかな建築費を出すといったこともできる。

 他の登録メンバーが公開した間取りを参考にできることや、森林組合が事務局となることで木を扱うプロの視点から助言をもらったり、相談に乗ってもらったりできるという利点もある。ネットを気軽に利用する若い世帯にもこのシステムを利用してほしいという。

 事務局はこれまで、パンフレットを作って配るなど情報発信に努めてきたが、新型コロナウイルスの影響で思うような営業活動ができず、問い合わせはあったものの契約には至っていなかった。

 今回、この事業を利用しているのは龍神村出身で和歌山市在住の30代の夫婦。5人家族といい、建てているのは2階建ての木造住宅(約115平方メートル)。龍神村材にこだわった施主が複数の工務店から1店に絞り込み、事務局の仲介で価格面などさまざまな条件を話し合って契約をした。建築材はほとんどが龍神村材のスギとヒノキ。1日に無事に棟上げを済ませた。

 事務局担当で組合加工部製材加工の松本晋平課長(54)は「家を建てるのは大変なエネルギーが要ると感じた。施主や工務店との間に入って相談を受けて、施主が求める家造りのサポートができるのはうれしい。今後もフォレスタイル龍神の事業を盛り上げて林業の活性化に携われるようにしたい」と話している。

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