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近大が医師派遣へ 新宮市立医療センターの分娩休止問題 

 新宮市立医療センター(新宮市蜂伏)が産婦人科医の確保が難しく3月から分娩(ぶんべん)を休止するとしていた問題を受け、近畿大学は16日、近畿大学病院(大阪府大阪狭山市)の医師2人を同センターに派遣すると発表した。

 センターによると、もともと産科の常勤医は3人いたが、1人が退職して2021年度から2人体制となっていた。さらに、今年3月末に1人が退職することになったが、代わりの医師確保が難航。「安全で安心な医療の提供が担保できない」として昨年11月、分娩の休止を決めていた。

 センターはこれまで、地域の中核病院として新宮市だけでなく三重県や奈良県を含めた近隣市町村の妊婦にも対応。年間約300件の分娩を行ってきた。3月以降は57人が出産を予定していたが、センターで対応できなくなるため別の病院を紹介したという。

 近大によると、センター支援のため、近大病院に勤務する産科医1人が退職して、6月ごろからセンターの常勤医となる。また、週末に非常勤医1人を派遣する。

 センターでは、県と連携して医師確保に努めている。「安全な診療体制が整えば、分娩再開に向け調整したい」と話している。
新宮市と近大が協定


 医療や防災、学術研究など幅広い分野での連携を深めようと、新宮市は16日、近畿大学と包括連携協定を締結した。センターへの医師派遣は、取り組みの第1弾となる。
転院後の費用を補助


 新宮市は、分娩休止に伴い市立医療センターから串本町や三重県など市外の病院に転院する市在住の妊婦に対し、通院費や宿泊費の一部を補助することを決めた。

 転院による経済的な負担を軽減するため、通院費は病院への距離に応じて2500~7千円を1回の通院につき支給。病院の近くの宿泊施設を利用する際の費用も、妊婦と付き添いの1人に対して1泊につき5千円を最長5泊まで補助する。

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