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林業資材、ドローンで運搬 農水省のコンテストで優秀賞

重量25キロまで運搬可能な林業用ドローン
重量25キロまで運搬可能な林業用ドローン
 農林水産省が主催するローカルビジネス支援事業のコンテスト「INACOME(イナカム)」で、育林業「中川」(和歌山県田辺市文里2丁目)の「林業用資材運搬型ドローンいたきその活用」が優秀賞に選ばれた。プロジェクト代表の中川雅也さんは「労働負担軽減と災害リスク対応が評価されてうれしい」と話した。


 イナカムは農山漁村の豊富な資源や人材を生かしたビジネスモデルの提案を評価し、事業実現のための支援をする。全国から100件以上の応募があり、10団体が11月27日にあった最終選考会に臨んだ。

 林業の全国的な課題が、伐採面積に対する植栽面積の少なさ。植栽しているのは4割程度という。苗木は100本で約20キロ、造林や獣害防止に必要な資材もネット1巻50メートル、ポール10本でそれぞれ約10キロある。現場までは急な斜面を30分以上登らなければならない。現場作業員の肉体的負担が大きく、効率性も悪い。

 「中川」のプランは、林業用に開発した重量25キロまで運搬可能なドローンを活用して、現場の負担軽減を図るもの。労働災害の減少や運搬作業の効率化、重労働がなくなったことで女性や初心者にも雇用が広がるなどの効果が出ている。

 造林面積が全国で増加すれば、森林保全につながる。伐採時に使用する資材もドローンで運搬可能になり、造林業者と伐採業者の連携も生まれる。災害時にはドローンを支援物資の運搬に活用できるなど、さまざまな波及効果が見込めるという。

 年に数回だけしか造林をしない企業には、1台600万円のドローンを購入することは難しい。そこで、ドローンによる運搬を代行するビジネスも提案している。

 中川さんは「林業界でのドローン普及とともに、地域貢献を考えた事業体が全国に増え、林業が地方創生の一翼を担うことができればいい」と話している。

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