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【動画】海に霧、川にオシドリ 紀南に「冬の風物詩」

 和歌山県串本町田原にできる日本初の民間小型ロケット発射場近くの海岸で「冬の風物詩」として親しまれている海霧のシーズンが始まっている。古座川町の山間部を流れる清流には「冬の使者」とも呼ばれるオシドリが、越冬のために飛来。紀南地方に冬の訪れを告げている。


 田原の海霧は冷たい空気が田原川に沿って流れ込み、海水との温度差によって発生する現象。白い海霧は太陽に照らされると朱色や黄金色に輝き、その中を移動する漁船のシルエットが幻想的だ。

 28日早朝は多くの写真愛好者の姿があり、奈良県生駒市から訪れた男性(65)は「以前から海霧の撮影に来たくて今年初めて来られたが、2日目でついに見ることができてうれしい。幻想的でとても美しい。この冬は何度も通いたい」と話していた。

 海霧は29日朝にも発生し、訪れた写真愛好者らを楽しませていた。例年11月から2月ごろにかけて見ることができ、朝方に冷え込んだ日に発生しやすいという。

■世界一美しいカモ? 清流を彩る

 「世界一美しいカモ」と紹介されることもあるオシドリは、日本で繁殖する数少ないカモの仲間。全長は45センチほどで、灰褐色の雌に対し、雄はくちばしが赤く、オレンジ色で帆のように立つ「銀杏(いちょう)羽」を持つなど、派手で美しい姿をしているのが特徴だ。

 全国の山間部で繁殖し、冬季は南下。県内では高野山で繁殖記録はあるが、多くは冬鳥として飛来し、各地の河川や湖沼に生息する。冬季はドングリなどを餌にするという。県のレッドデータブックでは準絶滅危惧に分類されている。

 古座川町を流れる古座川の支流・小川では28日、県の名勝・天然記念物「滝の拝」より上流の淵で5羽ほどを確認でき、清流を泳いだり、追いかけっこのようなしぐさを見せたりしていた。

 非常に警戒心が強いため、開けた場所にはあまり出てこず、観察するにはオシドリに気付かれないよう隠れながら近づくなどの注意が必要。

朝日に照らされ黄金色になった海霧の中を進む漁船(29日午前6時54分、和歌山県串本町田原で)
朝日に照らされ黄金色になった海霧の中を進む漁船(29日午前6時54分、和歌山県串本町田原で)
清流を泳ぐオシドリ(28日、和歌山県古座川町小川で)
清流を泳ぐオシドリ(28日、和歌山県古座川町小川で)
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