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ネットで九州の工場見学 田辺市龍神村の上山路小5年生

モニターやタブレットを使って工場を見学する児童(和歌山県田辺市龍神村東で)
モニターやタブレットを使って工場を見学する児童(和歌山県田辺市龍神村東で)
 和歌山県田辺市龍神村東、上山路小学校の5年生5人が8日、インターネットを利用して九州にある自動車工場を見学した。リモートによる工場見学は同校では初めて。児童は、車の組み立てから完成までの一連の工程を画面で見たり工場のスタッフに質問をしたりして、理解を深めた。


 社会科の工業に関する学習の中で、日本の主力産業の一つの自動車製造の様子を知ろうと、1人1台ずつ支給されているタブレットを使って、ビデオ会議システムにより遠隔地の工場を見学することにした。見学先は、トヨタ自動車九州の宮田工場(福岡県宮若市)。高級車のレクサス5車種を生産して国内外に出荷している。

 この日は同社の社員が、机上のタブレット画面や教室に設置した大型モニターを通して、工場内を案内した。工場では、約7千人の従業員が2交代で品質にこだわって働いていることを紹介。プレス▽溶接▽塗装▽組み立て▽検査―の各作業工程について、現場の動画を流しながら解説した。

 現場で働く従業員も出演。困ったことは全員で考えて改善することなどを説明した。41年間勤めているという従業員は、児童からの「一番大きな部品は何ですか」「年間の生産台数は」などの質問に答えた。案内役の社員が、児童にクイズを出す場面もあった。

 見学後は、担任の尾﨑昭仁教諭(28)が授業を振り返ってまとめた。児童から「工場の広さが、福岡PayPay(ペイペイ)ドーム16個がすっぽり入るという説明があったけれど、どのくらい」と質問があり、全員でタブレットを利用して検索して疑問を解決した。

 木村芙実さん(11)は「シートに座ったまま、部品の取り付けをしているのを初めて知った。みんなで改善することを大切にしながら車を造っているのもよく分かった。遠くまで出掛けなくても教室に居ながら工場を見られるのはいい」と話した。

 鳥山修身校長(57)は「日本有数の工場で車造りをしている様子がよく分かったと思う。工場に直接行くと臨場感があってよいが、コロナ禍で現地の見学は難しいし、出掛けるのに時間がかかる。リモートによる見学は双方でやりとりできて利点がある。ネット接続など、システムに詳しい若い尾﨑教諭により実現できた。これからもICT(情報通信技術)教育に取り組んでいきたい」と話している。

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