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梅の魅力、次世代に伝えたい みなべ町農業振興協が動画撮影

梅干し加工用の熟した梅を収穫する作業現場を撮影する(和歌山県みなべ町清川で)
梅干し加工用の熟した梅を収穫する作業現場を撮影する(和歌山県みなべ町清川で)
 和歌山県みなべ町で生まれ、栽培が盛んな梅の主力品種「南高」の魅力を子どもや若者たちに知ってもらおうと、農業者でつくる町農業振興協議会(小田修会長)は、栽培管理や加工を紹介する動画を撮影している。来年度中の完成を目指す。


 田辺・西牟婁とともに日本一の梅の産地であるみなべ町でも、農業の担い手や繁忙期の労働力確保は大きな課題となっている。このため、次世代を担う子どもや若者たちに梅の魅力をより深く知ってもらう必要があるとして動画を制作している。

 撮影作業は5月に開始。同町東岩代の長坂公一さん(43)の農園で、梅酒や梅ジュースなどの加工用として出荷される青梅の収穫風景を撮った。

 今月上旬には、同町清川の小田会長(47)の農園や作業場で、梅干し加工用の熟した梅の収穫から始まり、品質や大きさの選別を経て、塩に漬け込む作業を撮影した。1次加工品である「白干し梅」にするための作業で、ほとんどの梅農家はこの作業をしており、小田会長は「見せ方を工夫し、興味を持ってもらえる映像にしたい」という。

 塩漬けに続く作業である天日干しの撮影は8月にする予定。その後、栽培管理で重要な枝の剪定(せんてい)、除草や施肥の作業風景を秋から冬にかけて撮る。花の時季である来年2月には授粉のためにミツバチの巣箱を園地に設置する作業、4月には病害虫による被害を防ぐための消毒作業も撮影する予定。

 これら一年を通じての基本的な作業とともに、ICT(情報通信技術)やロボット技術などを取り入れた「スマート農業」の取り組みも収録する。協議会は「梅の栽培でもスマート化が進んでおり、PRできればと思う」と話す。作業風景で足りない場面は新たに撮影し、来年度に編集して仕上げる。

 完成後は、動画投稿サイト「ユーチューブ」などで発信したり、町のホームページで紹介したりする。資料としても役立てる。

 小田会長は「子どもたちには、ふるさと学習で活用してもらえればと思っている。就農を考えている人や農家にも見てもらって、梅についてより深く知ってもらいたい。農業を格好良く見せられる動画に仕上げたい」と話している。

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