和歌山県田辺市龍神村の飲食店などが１０日、食品や雑貨を販売したり体験教室を開いたりするイベントを同市湊のＪＲ紀伊田辺駅前にある市街地活性化施設「田辺エンプラス」で開いた。コロナ禍で龍神村への入り込み客が少なくなっている中、村外に出て元気な龍神村をＰＲした。

　知り合いの飲食店などが協力し合って初めて開催。龍神村で地域活性化に取り組んでいるＮＰＯ「ええとこねっと龍神村」のメンバーで、市地域おこし協力隊員だった鶴岡絵美さんが計画した。

　出店した９店舗のほとんどの店主がＩターン。最近、龍神村に移ってきて店を開いた店主は「他の出店者との交流の機会になった」と話した。

　この日は好天に恵まれ、飲食の販売コーナーには家族連れや通り掛かりの地元住民らが訪れた。午前中に完売する商品もあり、紀州産のヒノキとスギを使ったいす作りや、龍神村の温泉水と羊毛を使って布状のコースターを作る羊毛フェルト体験教室も盛況だった。

　たまたま通り掛かって立ち寄った同市磯間の主婦（７４）は「おしゃれな雰囲気ですてき。今度は龍神村に行って店を訪ねてみようと思う」と話した。いす作りも体験し「初めての木工体験だったが、店の人が教えてくれたので完成することができた。木の肌触りが良い。手作りの一生の宝物。持ち帰って花などを置いて使いたい」と喜んだ。

　鶴岡さんは「イベントを開くに当たって、出店者以外の人から道具類などの提供があってありがたかった。通りすがりの人も寄ってくれた。龍神村に興味を持ってくれたようでＰＲができてうれしい。２回目の開催はまだ決めていないが、やりたい気持ちはある」と話した。