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6年生が紙すき体験 上山路小で卒業証書手作り

奥野誠さん(左)と妻の佳世さん(右)の手ほどきを受けて紙をすく児童=8日、和歌山県田辺市龍神村安井で
奥野誠さん(左)と妻の佳世さん(右)の手ほどきを受けて紙をすく児童=8日、和歌山県田辺市龍神村安井で
 和歌山県田辺市龍神村東、上山路小学校の6年生11人が8日、龍神村安井にある紙すき工房で、卒業証書用の和紙をすく体験をした。

 森林学習の一環として毎年6年生が、かつて龍神村で生産されていた山路紙(さんじがみ)という和紙の卒業証書作りに挑戦している。指導は、戦後途絶えていた山路紙を復活させた、龍神村東に住む造形作家の奥野誠さん(68)と妻の佳世さん(69)。上山路小の前身の東小学校だった1992年から継続しており今年で30回目という。

 児童は、今年に入って学校に植えている和紙の材料となるコウゾ(クワ科)を収穫したり、蒸して黒皮を剝ぐ作業を体験したりして和紙作りの工程を学んでいた。

 この日は、準備していたコウゾを紙に仕上げる作業をした。児童は、1人ずつ奥野さんから木枠の持ち方や手首の動かし方などを教わり、緑色の和紙で作った校章も入れた。卒業証書は予備を含めて1人2枚作るため、各自2回紙すきをした。卒業式は3月23日の予定。

 天野藍良さん(12)は「紙すきは初めて。すくう時は重さがあって大変だったが、途中で軽くなって和紙がすっと出来上がったのを見てすごいと思った。きれいにできてよかった。紙を最初から作るのは大変だと思った。それを知らずに毎日紙を使っていたが、昔の人の苦労や紙のありがたさが分かった」と話した。

 﨑山晴紀君(12)は「先輩が和紙の卒業証書を作っていたので楽しみにしていた。やってみたら難しかったが、奥野さんの手助けでうまくできて貴重な体験となり楽しかった。山路紙があったことを知って勉強にもなった。苦労して作った卒業証書を受け取ったら大切にしたい」と語った。

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