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工業高の「学び」集結/4年かけ モニュメント完成/田 辺

平日の午後6時、音楽とともに光って回るモニュメント(田辺市あけぼので)
平日の午後6時、音楽とともに光って回るモニュメント(田辺市あけぼので)
 田辺工業高校(和歌山県田辺市あけぼの)の玄関前にあるモニュメントが完成した。1日4回、音楽とともに回転し、光る。多くの生徒が製作に携わり、約4年がかりで仕上げた。

 モニュメントは玄関前ロータリーの中心にある。映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のタイムマシン「デロリアン」をモデルにしている。車体4・2メートル、重さ約500キロ。台座が約200キロ。

 平日の午前9時、正午、午後3時、6時に映画のテーマソングが流れ、車体がタイヤを回しつつ台座ごと回転する。車体のパーツも光る。午後6時に限っては、スポットライトとロータリーを一周するイルミネーションが点灯する。

 2016年に機械科の生徒が文化祭の出し物として車体を作ったのが始まり。それから多くの機械科の生徒が手を加えていった。

 昨年のゴールデンウイークごろまでに完成させる予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大による臨時休校や夏休みの短縮などで作業が遅れ、12月末に完成した。

 本年度に取り組んだのは、設置後の動作に関する作業やさび止め、雨よけ作業など。ものづくり研究部の部員が携わった。学科が違う3人がそれぞれ学んでいる知識を生かし、試行錯誤しながら製作した。

 3人の中で一番長く作業に取り組んだ情報システム科2年、橋本佳明君(16)は「部品は小さく、たくさんあるので組み直し作業が大変だった。長い年月、先輩や先生が作ってこられた作品が、僕らの代で完成してうれしい」と話した。

 機械科2年の廣畑匡規君(16)は兼部している卓球部の練習の傍ら作業に加わり、機械加工の知識を生かした。「自分たちが作ったものが大きな車体や台座を動かしている」と満足げだった。

 電気配線で学んでいる技術を生かした電気電子科2年の谷前怜君(17)は「細かい調整作業に苦労した。完成して達成感が大きい」と喜んでいた。

 生徒とともにモニュメント製作を進めてきた高井正人教諭(51)は「製作に携わった卒業生も喜んでいる。モニュメントを見た地域の人や企業に、田辺工業高校ではどんなものを作っているか知ってもらえる」と話している。
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