和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月24日(日)

梅の生育障害「低水準」 田辺対策協が報告

 JA紀南や和歌山県田辺市、県などでつくる「田辺うめ対策協議会」(会長=山本治夫JA紀南組合長)は23日、本年度に実施した梅の生育障害のアンケート結果を公表した。生育障害の新規発生本数は3年ぶりに千本を超えたが、本年度も低水準だった。要因について「以前のような不明なものはない」とする説明もあった。

 田辺市高雄1丁目の市民総合センターであった総会で報告した。

 アンケートは梅の立ち枯れの状況を把握するため、1991年度から毎年続けている。本年度は7月に市内の梅栽培農家1791戸に用紙を配布し、9月末までに876戸から回答を得た。回収率は48・9%で、本年度も低かった。

 本年度の新規発生は1014本。昨年度より222本多く、3年ぶりに千本を超えた。1996年度から2000年度にかけては多発し、毎年度1万本を超えていたが、01年度以降に減少傾向となり、10年度からは千本台以下に収まっている。

 地区別には中芳養、秋津川、上秋津、芳養の各地区で昨年度よりも大幅に増えた。

 アンケートを受け、協議会メンバーが今月4日、被害が多かった園地8カ所を調査したところ、キクイムシやコスカシバ、モンパ病の病虫害が確認できたという。会員の農家から「以前のような原因が分からない状態で枯れたというケースはあるのか」という質問があり、JA紀南指導部と県うめ研究所は「そんな状態はない。原因は分かっている」と説明した。

 アンケートとは別に、農家らが生育障害との因果関係に注目している関西電力の御坊火力発電所(御坊市塩屋町)の稼働率も報告した。本年度は8月までが平均0・9%で、昨年度平均とほぼ同じ。13年度以降は減少傾向で、ここ2年間は1%以下と少なくなっている。

 同発電所で8月3日に排ガス中のばいじん濃度が一定基準を超えたことも報告された。関西電力が調査したところ、集じん機の不良が要因だったことが判明し、すぐに修繕し回復したという。